地球と双子の星とよばれる惑星「金星」。金星は地球に最も近づく惑星でもあり、その大きさや質量が地球に近いため、地球の双子星と言われている。金星の姿は、肉眼でも明け方と夕方に確認することができ、日本では「明けの明星」、「宵の明星」として古くから親しまれてきた。金星が明け方や夕方しか見ることができないのには理由があり、金星が地球よりも内側にある内惑星であるために、太陽との距離があまり離れることはなく、太陽がまだ隠れている明け方と夕方にしか観測することができないのだ。地球からの距離が近く、その雲が太陽光をよく反射するため、金星は地球の空で最も明るく輝く惑星である。 金星は人類が最も早く探査機を送り込んだ惑星であり、またこれまでに最も多くの探査機を送り込まれた惑星でもある。かつてはその位置や大きさから、地球と似た環境が広がっているのではないかと考えられていた。しかし、探査が進むに連れて、そのイメージは一変する。気温は400℃を越え、表面付近の気圧は90気圧にも達する過酷な環境が広がっていたのだ。

金星の直径は地球の95%、質量は地球の80%ほどであり、その内部構造も地球とほぼ同じである。地表から深さ約30kmまで地殻があり、その下にはマントルが広がっている。中心には鉄やニッケルで形成された核が存在する。地表のほとんどは冷え固まった溶岩で覆われているが、現在のところ活火山の存在はまだ確認されていない。 金星の大気はおもに二酸化炭素で構成され、硫酸の雲も存在している。大気中から検出できる水はわずかで、海はなく、灼熱地獄が広がる。また、大気層では「スーパーローテーション」と呼ばれる秒速100メートルの風が吹き荒れる。このスーパーローテーションは金星最大の謎と呼ばれ、どのようにして発生し維持されているのかは、今後の科学的な調査が待たれるテーマである。
地球と似たような惑星でありながら、違う運命を辿った金星。なぜこのような環境になったのか、その原因がわかれば、地球の誕生や気候変動を解明する手がかりが得られるという。金星の謎を解き明かすため、これまで数々の探査機が金星に送り込まれてきた。日本が開発した金星探査機「あかつき」も6年後の周回軌道への投入を目指して飛行を続けている。