宇宙旅行特集

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太陽系の誕生

一列に並べられた太陽系の惑星

 太陽系は今から約46億年前に誕生したと考えられている。宇宙空間には、星間ガスや星間塵とよばれるガスやちりが大量に存在しており、そのガスの雲の中で密度が高い部分に周囲のガスやちりが引き寄せられ、中心部が引力で押しつぶされることで原始太陽は誕生した。原始太陽が形成される過程において、ガスの塊が回転しながら縮んでいくため、徐々に平たい円盤のような形状になっていく。こうして、原始太陽の周りに「原始太陽系円盤」が形成された。(原始惑星系円盤

 原始太陽系円盤の中で、ちりが集まって凝縮しはじめると「微惑星」と呼ばれる小さな星が生まれる。この微惑星が衝突を繰り返すことで、惑星の元となる「原始惑星」が誕生する。その際、太陽系の外側に誕生した原始惑星は質量が大きかったため、周辺にあったガスを多く取り込み、木星のような巨大な惑星が誕生したと考えられている(惑星の生成)。また、太陽系の内部には、惑星まで成長しきれなかったものが小惑星や彗星として今も大量に残されている。小惑星や彗星には太陽系が誕生した当時の物質が残されているため、宇宙の化石とも言われる。(46億年前の惑星形成の様子)

 太陽系の中には惑星や小惑星のほかに、準惑星と呼ばれる天体も存在する。惑星と準惑星の違いだが、準惑星とはその軌道で「近くの天体を一掃していない」星であるとされる。つまり、同程度のサイズの他の天体と軌道空間を共有しているということだ。準惑星の中で有名なのは、2006年に惑星から準惑星に降格した冥王星だろう。

 惑星は古くから多くの天文学者によって観測されていた。古代の天文学者たちは、星の間を縫って動いているように見える光の点を観察していたのだ。彼らはそのさまよう天体を「惑星」と呼び、主神ジュピター(木星)、戦神マース(火星)など、古代ローマの神々にちなんだ名前を付けたのである。

 その後、観測技術の発達によって、太陽系外の天体についても調査が進んできている。現在確認されている太陽系外に存在する惑星の数は400を超えており、その中には地球とよく似たスーパーアース(巨大地球型惑星)と呼ばれる惑星もいくつか存在する。はたして地球と同じ様な環境の惑星が存在するのか、地球外にも生命は存在するのか、天文学者たちの探求はこれからも続いてゆく。(太陽系外の巨大惑星「スーパーアース」を発見)


惑星の種類

 太陽系の惑星は全部で8つ存在するが、その種類は「地球型惑星」と「巨大惑星」に大きく分けられる。「地球型惑星」は、その名の通り地球と似た組成を持つ惑星で、岩石や金属から出来ており、「地球」のほかに、「水星」「金星」「火星」の4つの惑星が存在する。そのどれもが地球と同程度かそれ以下のサイズであるが、平均密度は「巨大惑星」よりも高いのが特徴だ。

 一方、「巨大惑星」は、おもに水素やヘリウム、氷の塊でできた巨大な惑星で、その大きさは「地球型惑星」と比べて大きい。巨大惑星には「木星」「土星」「天王星」「海王星」の4つがある。「巨大惑星」の中でも、特に「木星」と「土星」は木星型惑星と呼ばれ、「天王星」と「海王星」は天王星型惑星と呼ばれる場合がある。その主な違いはガスで構成されるか氷で構成されるかであり、後者が氷の塊で形成されている惑星だ。

 ほぼすべての惑星と一部の衛星には大気の存在が確認されている。地球の大気は、おもに窒素と酸素で成り立っているが、金星は二酸化炭素の厚い大気で覆われていて、二酸化硫黄のような有毒ガスの痕跡もある。火星の大気は二酸化炭素からなるが、その大気は極端に薄いことが特徴である。木星、土星、天王星、そして海王星はおもに水素とヘリウムで構成されている。惑星に存在する大気は太陽系の創成期に衝突した彗星がもたらしたという説もあるが、はっきりしたことはまだ解明されていない。

 また、多くの人が今も誤解していることだが、周囲に環を持つ惑星は土星だけではない。太陽系の中では土星のほかに、木星、海王星、天王星の4つの惑星に環があることが確認されている。環は氷や岩などで作られ、そのサイズはちりくらいのサイズから巨岩のサイズまでさまざまだ。環があることは、天体にとってそれほど特異なことではないのかもしれない。



惑星探査の歴史

 太陽系の惑星の探査は、1960年代から行われている。最も早くに調査が始まった惑星は金星であり、これまでに最も多くの探査機が送り込まれた惑星でもある。初の金星探査に成功した探査機「マリナー2号」は、金星のそばを通過する間に、大気と地表の観測を行い金星の気温が何度であるかを突き止めた。特に、ソ連(当時)は1960~70年頃、金星探査に力を入れており、金星の地表に唯一探査機を着陸させることにも成功している。金星は地球とほぼ同じ大きさの惑星で地球と「双子星」と呼ばれることもあり、地球と似たような環境が広がっているのではないかと考えられていたのだが、観測の結果から温室効果によって、表面の温度は鉛が溶けるほど高く、表面気圧は地球の90倍という過酷な世界であることがわかった。(金星の基本情報

 金星に続き、1965年にはマリナー4号が火星の探査に成功。火星の探査は現在も続けられており、最新の観測技術によって多くの事実がわかってきている。火星には、かつて水が存在した可能性が指摘されており、また火星から飛来した隕石中に生命の痕跡とも考えられるものが発見されるなど、地球外生命の可能性について研究が進められている。太陽系の惑星探査は、その後、木星、水星、土星の探査へと続き、ボイジャーやカッシーニなどの活躍もあって、太陽系に存在する8つの惑星すべての近接観測に成功している。


地球外生命の可能性

土星の衛星エンケラドス
土星の衛星エンケラドス

 太陽系の中にある天体の中で、地球外生命が存在する可能性が最も高い天体はどれか。それは、地球の隣で公転する火星でも金星でもなく、太陽からもっと離れたところにある。氷で覆われた土星の衛星「エンケラドス」は、半径約250キロの氷に覆われた小さな衛星で、太陽のエネルギーはほとんど届かない。

 通常、このサイズの天体の場合、内部は冷え切っていて氷を溶かす熱源は持たないはずだが、2005年と2008年に行われたカッシーニからの観測で、地表から水蒸気が噴出している姿が捉えられた。また、この噴出物には、水蒸気のほかにもメタン、二酸化酸素、エチレンなどの有機物も検出されている。

 生物の生存可能性を評価する新しい測定法によると、この衛星は太陽系の中で、地球上の生物に似た生命体が存在する可能性の最も高い天体だという。エンケラドスの表面を覆っている氷の下には広大な海が広がっていると科学者は考えている。また、比較的規模の小さいこの衛星は、内圧もそれほど高くないとされ、生命が存在する可能性があるというのだ。

 土星の衛星エンケラドスと同様、木星の衛星「エウロパ」も地下に広大な海を持ち、生命が暮らしていける可能性があるという。エウロパの地下には、深さ約160キロの海が広がっていると考えられており、その水の量は地球の海水量を超えるとも言われる。また、その海には大量の酸素が含まれていることがわかっている。

 その他にも、地球とほぼ同じ大気の組成をもち、創成期の地球の環境に近いと言われる土星の衛星「タイタン」にも生命が存在する可能性がある。タイタンには、カッシーニに搭載されていた小型探査機「ホイヘンス」が着陸に成功しており、地表の撮影にも成功している。その際に撮影された画像には、液体メタンの川が流れ、アンモニアと水が噴出す火山も見られた。この衛星をさらに調査することで、惑星がどのように形成されるのか、そして初期の地球がどのような状態だったのかについても詳しくわかるだろうと考えられている。



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