すべてを飲み込む時空領域
ブラックホールはかつて星であり、その星の
重力崩壊後に残された低温の時空領域である。
密度があまりにも高いために、どのような物質も、
たとえ光でさえもその強力な重力場から逃れる
ことはできない。
Photograph courtesy NASA/CXC/IoA/A. Fabian et al.
ほとんどの星は白色矮星または中性子星として一生を終える。だが、星の一生の最終的な進化の段階としてブラックホールとなる場合もある。太陽の少なくとも10~15倍ほどの質量を持つ巨大な星がその有力な候補だ。
巨大な星が最終段階を迎えると、多くの場合は超新星と呼ばれる大規模な爆発現象を起こす。星の大部分が爆発によって宇宙空間に吹き飛ばされ、その後には二度と核融合を起こすことのない大きく“冷たい”中心核が残る。
星が若いときであれば、核融合によってエネルギーのほかに外向きの一定の圧力も生み出され、星自身の質量から生じる内向きの重力とバランスを取ることができる。しかし、巨大な超新星の死後の残骸は、重力に抵抗する力がないために収縮を始める。
そして、もはや収縮を食い止める力がなにも残っていないため、“ブラックホールの卵”は体積ゼロにまで縮小し、特異点と呼ばれる中心点で密度が無限大になる。このような星から放出されるものは光でさえ、その計り知れない重力場から逃れることはできない。星自体が放出する光は特定の半径をもつ球面に捕らえられるため、星は暗く見える。これがブラックホール(黒い穴)として呼ばれる所以である。
ブラックホールは物質だけでなくエネルギーさえものみ込んでいく。ただし、これは同質量の星や天体に比べて特別に“吸い込む力”が強いということではない。つまり、ブラックホールが太陽と同質量であれば、太陽の引力程度しか“吸い込む力”はなく、太陽以上の質量の天体をのみ込むことはないのである。
惑星や光をはじめとする物質は、ブラックホールに近づかない限りその中に引き込まれることはない。物質がブラックホールから引き返せない地点に到達すると、事象の地平線に入ったと言われる。事象の地平線とは、光よりも速いスピードで動かない限りは脱出が不可能になる地点である。
成長するブラックホール
ブラックホールのサイズは大きいものではない。太陽の100万倍以上の質量を持つブラックホールがいくつかの銀河の中心にあるとされるが、その半径はおよそ300万キロだと考えられている。これは太陽の半径の4倍ほどしかない。質量が太陽と同じなら、ブラックホールの半径は3キロにすぎない。
ブラックホールはとても小さく、遠く、暗いため、直接観測することはできない。それでも科学者は、ブラックホールの存在を追い求め続けている。通常ブラックホールを観測するには、空の一定範囲の質量を測定し、それから大質量を持った暗黒領域を探すのである。
多くのブラックホールは別の恒星と連星系を形成している。このようなブラックホールは隣の星から質量を断続的に引き込む。その結果、ブラックホールは拡大し星は縮小する。最終的にはブラックホールはどんどん大きくなり、その星が完全に消滅してしまうこともある。
天の川銀河を含むいくつかの銀河の中心には、極めて大きなブラックホールが存在している場合がある。巨大なブラックホールは太陽の100億~1000億倍の質量を持つこともあるが、小さなブラックホールとそれほど変わりはなく、銀河の中心には多くの物質があるため、それらをのみ込んで桁外れに大きく成長していったにすぎない。ブラックホールが無限に物質をのみ込むことができるのは、単に質量が増えるに従って密度がさらに増していくからである。
ブラックホールの極めて理論的な概念は世間の興味をかき立て、特集が組まれるなど大きく取り上げられている。その概念の1つ、ワームホールは、時間と空間を高速で移動することができる“トンネル”のようなものだが、そのような領域が存在するという証拠は全くない。
巨大な星が最終段階を迎えると、多くの場合は超新星と呼ばれる大規模な爆発現象を起こす。星の大部分が爆発によって宇宙空間に吹き飛ばされ、その後には二度と核融合を起こすことのない大きく“冷たい”中心核が残る。
星が若いときであれば、核融合によってエネルギーのほかに外向きの一定の圧力も生み出され、星自身の質量から生じる内向きの重力とバランスを取ることができる。しかし、巨大な超新星の死後の残骸は、重力に抵抗する力がないために収縮を始める。
そして、もはや収縮を食い止める力がなにも残っていないため、“ブラックホールの卵”は体積ゼロにまで縮小し、特異点と呼ばれる中心点で密度が無限大になる。このような星から放出されるものは光でさえ、その計り知れない重力場から逃れることはできない。星自体が放出する光は特定の半径をもつ球面に捕らえられるため、星は暗く見える。これがブラックホール(黒い穴)として呼ばれる所以である。
ブラックホールは物質だけでなくエネルギーさえものみ込んでいく。ただし、これは同質量の星や天体に比べて特別に“吸い込む力”が強いということではない。つまり、ブラックホールが太陽と同質量であれば、太陽の引力程度しか“吸い込む力”はなく、太陽以上の質量の天体をのみ込むことはないのである。
惑星や光をはじめとする物質は、ブラックホールに近づかない限りその中に引き込まれることはない。物質がブラックホールから引き返せない地点に到達すると、事象の地平線に入ったと言われる。事象の地平線とは、光よりも速いスピードで動かない限りは脱出が不可能になる地点である。
成長するブラックホール
ブラックホールのサイズは大きいものではない。太陽の100万倍以上の質量を持つブラックホールがいくつかの銀河の中心にあるとされるが、その半径はおよそ300万キロだと考えられている。これは太陽の半径の4倍ほどしかない。質量が太陽と同じなら、ブラックホールの半径は3キロにすぎない。
ブラックホールはとても小さく、遠く、暗いため、直接観測することはできない。それでも科学者は、ブラックホールの存在を追い求め続けている。通常ブラックホールを観測するには、空の一定範囲の質量を測定し、それから大質量を持った暗黒領域を探すのである。
多くのブラックホールは別の恒星と連星系を形成している。このようなブラックホールは隣の星から質量を断続的に引き込む。その結果、ブラックホールは拡大し星は縮小する。最終的にはブラックホールはどんどん大きくなり、その星が完全に消滅してしまうこともある。
天の川銀河を含むいくつかの銀河の中心には、極めて大きなブラックホールが存在している場合がある。巨大なブラックホールは太陽の100億~1000億倍の質量を持つこともあるが、小さなブラックホールとそれほど変わりはなく、銀河の中心には多くの物質があるため、それらをのみ込んで桁外れに大きく成長していったにすぎない。ブラックホールが無限に物質をのみ込むことができるのは、単に質量が増えるに従って密度がさらに増していくからである。
ブラックホールの極めて理論的な概念は世間の興味をかき立て、特集が組まれるなど大きく取り上げられている。その概念の1つ、ワームホールは、時間と空間を高速で移動することができる“トンネル”のようなものだが、そのような領域が存在するという証拠は全くない。






















