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火星探査


赤い惑星の調査

宇宙飛行士を火星探査に送り込むことを目標に、NASAは
新しいカプセル型有人宇宙船「オリオン・クルー・エクスプロレーション・ビークル(CEV)」を開発中だ。
現在、このミッションは設計段階にあり、2020年までに月面着陸の再実現を目指している。最終的には、軌道上に打ち上げられた火星行き宇宙船とランデブーを行って人類は初めて赤い惑星に到達するという計画だ。

Photograph courtesy NASA/JPL

 火星へ人類が到達するのはまだ先の話だが、既に何機もの無人探査機が火星に関する経験と知識を積み重ねている。

 多くの探査機が火星に向けて送り出されたが、ミッションの成功率は30%前後でしかない。この冷徹な数字は、無事に火星に到着し収集したデータを地球に送り返すというミッションの困難さを示している。

 火星探査の最初のミッションはフライバイと呼ばれる間接的な方法だった。探査機を火星に接近飛行させ、火星上空を通過時に画像を撮影するというものだ。

 NASAの宇宙探査機「マリナー」は、金星、火星、水星という近傍の惑星を探査するように設計された小さなロボット探査機だ。マリナー4号は1965年7月に火星上空を通過、その見知らぬ世界の撮影に成功した。地球に届いた最初の火星の画像である。

最初の火星着陸船

 1971年には、ソ連の宇宙計画が大きな成功を収めている。探査機を初めて火星の軌道に乗せるだけにとどまらず、初めて着陸船(ランダー)を着地させたのである。軌道船(オービター)「マルス3号」の8カ月にわたる観測では、火星の地形、大気、気象、地質について多くのことが明らかになった。ランダーは軟着陸に成功したものの、わずか約20秒間のデータ送信を最後に信号が途絶えた。

 以降、NASAのマリナー9号のような軌道周回する探査機によって火星探査は継続されている。大気の詳細な観測データの収集や測量調査が行われ、地勢図の作成が可能となった。

 火星探査ミッションでは、かつて古代文明の証拠といわれた運河に関わる伝説が否定されるなど、いくつかの謎が解き明かされている。しかしその一方で、液体の水の存在を暗示する古代の川床の正体など、新しい疑問もたくさん生まれてきている。

 軌道船(オービター)と着陸船(ランダー)のペアミッション「バイキング1号・2号」は1976年に火星に到達した。この2機は共に設計寿命を大幅に越えて1982年までデータを送り続けた。特にバイキングが撮影した火星表面の写真は、世間を驚かせ、科学者を興奮させるものだった。また、バイキングのランダーは土壌の生物学的な実験も行っている。生命、あるいはその兆候を検出することが目的だったが、明確な証拠が得られないまま判断の余地を残す結果となった。

 1996年に打ち上げられた「マーズ・パスファインダー」は、火星地表を自由に移動できる探査車(ローバー)を火星に着陸させた。探査ローバー「ソジャーナ」からは、画像だけでなく、気象観測や化学的な土壌分析といった科学的データが予期しないほど大量に送られてきたのである。

進行中のミッション

 NASAの火星探査機「マーズ・グローバル・サーベイヤー」は、火星の全表面の測量および調査を目的に1999年3月から軌道を周回している。この長期にわたるミッションからは、火星というダイナミックな惑星の移り変わる季節や気象の変化(悪名高い砂塵嵐など)に関して詳しい解析が可能になった。

 火星探査ミッションの中で最も有名なものはおそらく、探査ローバー「スピリット」と「オポチュニティ」のマーズ・ローバー・ミッションだろう。これら2台のローバーは2004年の1月に火星のそれぞれ反対側に着陸し、それまでのミッションよりもはるかに広い範囲で探査を行っている。

 スピリットとオポチュニティはこれまでに数キロを踏破し、10万点を超える高解像度の画像を送ってきた。さらに、岩石や土砂を詳しく調査するために搭載された複数の科学機器を駆使して、表面あるいは下層の地質分析が行われている。

 これらの探査ロボット車は、90日という当初の運用期間をはるかに超えた信じられないほどの持久力を見せ、作業を継続している。

 多くの新たな火星探査ミッションが既に開発段階にあり、人類が初めて火星に到達するのはそれらのミッションが実施されてからかなり後になるだろう。今後は、ロボット探査機を火星の地中に潜らせ、地質学的なデータだけでなく土壌サンプルも入手しようと科学者たちは計画している。そのようなミッションでは、火星の近寄りがたい外見の下に潜んでいる水の可能性、または生命の兆候さえも発見されるかもしれない。


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