満月、それは私たちを魅了する特別な存在である。夜空で最もドラマティックな光景であり、数千年も前から詩人、芸術家、そして恋人たちにとってのインスピレーションの源になっている。
地球の衛星である月は毎月そのさまざまな位相を通過し、新月から満月そして元の状態へという一定のサイクルの中で満ちたり欠けたりしている。満月は約29.5日ごとに起こる。そのときに、月は地球を挟んで太陽のちょうど反対側に位置し、太陽の光をその全面で反射して、きらきら輝く完全な円板のように見えるようになる。
人類は数千年も前から、月の動きを利用して過ぎゆく年の経過を追い、狩猟、種まき、そして収穫のスケジュールを決めてきた。古代に生きた世界中の人々が、その時々の植物、動物、または天候の動きを基にして満月に名前を付けてきたのである。
1月:Wolf Moon(狼月)
ネイティブアメリカンや中世のヨーロッパ人は、真冬の食糧不足を嘆く飢えた狼の遠吠えにちなんだ名前を1月の満月に付けた。1月の満月は、Old Moon(古月)やIce Moon(氷月)などとも呼ばれる。
2月:Snow Moon(雪月)
北アメリカの2月は寒さが厳しく雪が多いため、2月の満月にはSnow Moon(雪月)という名前が付いた。Storm Moon(嵐月)やHunger Moon(飢餓月)などもある。
3月:Worm Moon(芋虫月)
ネイティブアメリカンは、冬の終わりを迎える3月の満月にWorm Moon(芋虫月)という名前を付けた。雪解けの地面に見られるミミズのはった跡にちなんだ名前である。ほかには、Chaste Moon(純潔月)、Death Moon(死月)、Crust Moon(堅雪月。日中に雪が溶け、雪解け水が夜に凍り付いて表面の固くなった雪を表している)、そしてSap Moon(樹液月。カエデの樹液採取にちなんだ名前)などがある。
4月:Pink Moon(桃色月)
北部のネイティブアメリカンは、開花の早い野花にちなんで4月の満月をPink Moon(桃色月)と呼んでいる。ほかの文化では、Sprouting Grass Moon(萌芽月)、Egg Moon(卵月)、そしてFish Moon(魚月)と呼ばれている。
5月:Flower Moon(花月)
多くの花が咲く5月の満月は、多くの文化でFlower Moon(花月)と呼ばれている。ほかには、Hare Moon(野ウサギ月)、Corn Planting Moon(トウモロコシの種蒔き月)、そしてMilk Moon(ミルク月)という名前がある。
6月:Strawberry Moon(苺月)
北米では6月にイチゴの収穫が行われるため、それにちなんだ名前が6月の満月に付けられた。ヨーロッパではRose Moon(薔薇月)という別名が付けられ、ほかの文化では夏の暑さの始まりを意味するHot Moon(暑気月)と呼ばれている。
7月:Buck Moon(男鹿月)
毎年ツノが生え替わるオスのシカは、7月にツノを再生し始める。ネイティブアメリカンは7月の満月にオスのシカにちなんだ名前を付けた。ほかには、Thunder Moon(雷月。この月に夏の嵐が多発するため)、そしてHay Moon(干し草月。7月に干し草の収穫があるため)という名前がある。
8月:Sturgeon Moon(チョウザメ月)
チョウザメの豊漁にちなんで、北米の漁民は8月の満月をSturgeon Moon(チョウザメ月)と呼んだ。また、Green Corn Moon(青トウモロコシ月)、Grain Moon(穀物月)、あるいはRed Moon(赤月。夏のもやで赤みを帯びることがよくあるため)という呼び方もある。
9月:Harvest Moon(収穫月)
最も馴染み深い名前の満月である9月のHarvest Moon(収穫月)は、作物を収穫する秋分後の時期を表している。また、夜間の収穫を助けてくれる9月の満月の特別な明るさや、月の出が早いことも表している。ほかには、Corn Moon(トウモロコシ月)やBarley Moon(大麦月)という名前もある。
10月:Hunter's Moon(狩猟月)
Harvest Moon(収穫月)の後の最初の月はHunter's Moon(狩猟月)である。夏の間に太ったシカやキツネを狩るのに適した月であるため、このように名付けられた。Harvest Moon(収穫月)と同様にHunter's Moon(狩猟月)も特別に明るく、照らす時間も長い。狩猟者は、夜でも草木の枯れた原野で隠れることのできない獲物を追跡することができる。ほかには、Travel Moon(移動月)やDying Grass Moon(枯れ草月)という名前もある。
11月:Beaver Moon(ビーバー月)
11月のBeaver Moon(ビーバー月)という名前の起源については意見が分かれている。ネイティブアメリカンがビーバーを捕らえるわなを仕掛ける時期からきているという人もいれば、ビーバーが冬のダム造り(巣作りの一種)にかかり切りになるからだという人もいる。Frost Moon(霜月)という名前もある。
12月:Cold Moon(寒月)
冬が到来する12月の満月には、Cold Moon(寒月)という名前が付けられた。ほかには、Long Night Moon(長夜月)やOak Moon(オーク月)という名前がある。
Blue Moon(ブルームーン)
毎年、月は地球が公転を完了する約11日前に最後の満ち欠けのサイクルを終了する。そのような余りの日が積み重なった結果、およそ2年半に1度という間隔で満月が1回余計に起こることがある。ブルームーンとは、そのような満月のことを言う。
起源ははっきりしないが、その意味するところは時とともに変化している。ブルームーンは現在、暦月の2回目の満月を表す慣用句として使われているが、もともとは満月が4回起こる季節の3回目の満月に付けられた名前だった。
























