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古第三紀


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Artwork by Christian Jegou Publiphoto Diffusion/Science Photo Library
Map by Christopher Scotese, www.scotese.com

6500万~2300万年前

 新生代の始まりである古第三紀の夜明け、地球には恐竜も翼竜も、また海の巨大爬虫類もいなくなっていた。その空白を埋めていったのは、齧歯類(げっしるい)ほどの大きさの哺乳類だった。それまで夜間にしか活動できなかった小型の哺乳類が、恐竜などの大型爬虫類がいなくなった日の当たる表舞台に進出したのである。その後の4200万年の間に、哺乳類は大きさ、数、多様性、すべての面で成長し繁栄していった。古第三紀が終わるころ、現在も見られる生命体が海に満ち、陸を覆い、空にも進出していた。

 古第三紀の間に、大陸は現在の位置に向かって互いに離れていった。大洋の幅が広がり、ヨーロッパは北アメリカとの最後のつながりを断ち切り、オーストラリアと南極も離ればなれとなった。気候は大幅に寒冷乾燥化し、海面レベルは白亜紀後期よりも低下して、内海水路のほとんどは水が無くなった。

 約5500万年前に起きた急激な気温上昇に続いて、寒冷化と乾燥化が本格的に始まる。海面温度は数千年の間に摂氏5~8度上がり、有孔虫と呼ばれる海洋性の単細胞生物が他の無脊椎動物とともに大量に死滅した。 この現象は、それまでにセコイアやマツなどの落葉性広葉樹が生い茂っていた北部の森林にも大きな影響を及ぼした。また、新しい湿潤な亜熱帯性環境によって、ヤシやグアバなどが豊富に育つことになる。陸上の動物もこれに呼応するように、数多くの形態に放散し多様化していった。

 温暖化に続き気候が寒冷化し乾燥化するのに伴い、北半球では森林に代わって、開けた森と草原が広がり、草食哺乳類の群れの拡大を促すことになった。

 海には魚が満ちてサメの食料となり、サメは白亜紀の巨大なモササウルスやプレシオサウルスが滅びた後の海で支配者の座を獲得する。イカなど軟体の頭足類が、かつては食物連鎖で中位を占めていた殻を持つ同類と置きかわった。海底では現在の姿に近い海の巻き貝や二枚貝がひっそりと暮らし、新しいタイプの有孔虫やウニが、以前の大絶滅で死に絶えた近縁種に取って代わった。

最初のクジラ

 しかし海の中での最大の進化は、古第三紀の中期から後期におけるクジラの出現であった。この巨大な動物は、海に進出した陸上哺乳類から進化した。

 その一方で、白亜紀から生き残った小型の爬虫類(カメ、ヘビ、ワニ、トカゲなど)は海岸地域で熱帯の暖かさにひたっていた。恐竜時代の“抵抗勢力”であった鳥類は、空を舞台として多様化し繁栄した。しかし、急速に進化してゆく哺乳類が地上の舞台をひとり占めすることになる。6500万年前にかなり控え目な位置からスタートした哺乳類は、霊長類、ウマ、コウモリ、ブタ、ネコ、イヌなど、そのすべてが、古代三紀が終わる2300万年前までに登場した。



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