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Artwork from Interfoto Pressebildagentur/Alamy
Map by Christopher Scotese, www.scotese.com
2300万~260万年前
新第三紀が始まった頃の地球は、遠目から見れば現在とそれほど変わりはなかった。しかし実際には同じだったわけではない。陸地では山脈が隆起し、海面水位は落ち込んでいた。気候は寒冷化、乾燥化が進み、生物種は適応か絶滅かの二者択一を迫られていた。
新第三紀の初期、諸大陸はほぼ現在と同じ位置にあったが、大陸同士は互いに衝突しあっていた。インドとアジアとの緩やかな衝突は依然として続いており、現在も続くヒマラヤ山脈の大規模な造山運動はこの時点で既に始まっていた。イタリアはヨーロッパに衝突してアルプス山脈を隆起させ、スペインはフランスとぶつかり、ピレネー山脈を形成した。北アメリカでは、断層運動、伸張運動、薄化、隆起によってロッキー山脈やシエラネバダ山脈、カスケード山脈が部分的に形成された。このように標高の高い山脈が隆起したことで大気の循環と天候パターンが変化し、気候の乾燥化と寒冷化が起こっていた。
北極の氷冠は面積と厚さを増す。標高の高い山には雪や氷が降り、海から遠い場所では水が氷の塊として閉じ込められていた。そのために海面水位は急落し、アフリカとユーラシア、ユーラシアと北アメリカが陸でつながるようになった。南アメリカも北上して北アメリカとつながり、パナマ地峡が形成された。
種の拡散
大陸がつながったことで、各大陸で独自に進化していた動物たちが新しい土地へ移動できるようになった。ゾウや類人猿がアフリカからユーラシアへ渡った一方で、ウサギやブタ、サーベルタイガー、サイは逆にアフリカへ向かった。ゾウと類人猿は移動を続け、ベーリング海峡を渡って北アメリカにたどり着き、ウマはその逆方向の移動を果たしている。南アメリカに生息していた地上性のナマケモノは北アメリカへ移住し、アライグマは逆に南へ下った。齧歯類(げっしるい)までもが、東南アジアから太平洋諸島を渡ってオーストラリアへと次々に移動していった可能性がある。
気候の変化に伴い、それまで諸大陸を隅々まで覆っていた森林の多くがゆっくりと草原へ変わっていった。草原は寒冷化と乾燥化の進んだ気候に適した生息地ではあるが、その反面、食物が不足するという問題がある。結果、草食動物は生き残りのために適応を余儀なくされた。ウマはエナメル質で覆われた頑丈な歯を発達させて繁栄を実現する。バイソン、ラクダ、ヒツジ、キリンなどの反芻動物(はんすうどうぶつ)も複数の部屋に分かれた胃を発達させたが、これは草を消化しやすくする適応だった。草食動物の多くは俊敏な運動能力を発達させ、群れで行動するようになる。それは開けた草原で生き延びるための新たな戦略だった。草食動物を狙う捕食動物も生存のためには適応を果たさざるを得なかったのである。
浅く冷たい海では、新しい種類の大型褐藻類(かっそうるい)ケルプが岩やサンゴに固着し、ラッコや、ゾウと近縁の海生哺乳類であるジュゴンが好む新しい生息地が確立された。この時期にはサメも大型化し、再び海を支配するようになる。最大のサメであるメガロドンは体長が15メートル近くにも及んだ。
陸上では、アジア類人猿とアフリカ類人猿が分岐し、その後数百万年を経てヒト族(ホミニン)が直近の祖先に当たるアフリカ類人猿(チンパンジーの祖先でもある)から分岐した。二足歩行に適応した初期のヒト族は樹上生活を止め、食料や道具を手に持って運び始める。ほかのどの生物とも違っていたこの新種の生物は、その後の地球を変える能力を持っていた。
新第三紀が始まった頃の地球は、遠目から見れば現在とそれほど変わりはなかった。しかし実際には同じだったわけではない。陸地では山脈が隆起し、海面水位は落ち込んでいた。気候は寒冷化、乾燥化が進み、生物種は適応か絶滅かの二者択一を迫られていた。
新第三紀の初期、諸大陸はほぼ現在と同じ位置にあったが、大陸同士は互いに衝突しあっていた。インドとアジアとの緩やかな衝突は依然として続いており、現在も続くヒマラヤ山脈の大規模な造山運動はこの時点で既に始まっていた。イタリアはヨーロッパに衝突してアルプス山脈を隆起させ、スペインはフランスとぶつかり、ピレネー山脈を形成した。北アメリカでは、断層運動、伸張運動、薄化、隆起によってロッキー山脈やシエラネバダ山脈、カスケード山脈が部分的に形成された。このように標高の高い山脈が隆起したことで大気の循環と天候パターンが変化し、気候の乾燥化と寒冷化が起こっていた。
北極の氷冠は面積と厚さを増す。標高の高い山には雪や氷が降り、海から遠い場所では水が氷の塊として閉じ込められていた。そのために海面水位は急落し、アフリカとユーラシア、ユーラシアと北アメリカが陸でつながるようになった。南アメリカも北上して北アメリカとつながり、パナマ地峡が形成された。
種の拡散
大陸がつながったことで、各大陸で独自に進化していた動物たちが新しい土地へ移動できるようになった。ゾウや類人猿がアフリカからユーラシアへ渡った一方で、ウサギやブタ、サーベルタイガー、サイは逆にアフリカへ向かった。ゾウと類人猿は移動を続け、ベーリング海峡を渡って北アメリカにたどり着き、ウマはその逆方向の移動を果たしている。南アメリカに生息していた地上性のナマケモノは北アメリカへ移住し、アライグマは逆に南へ下った。齧歯類(げっしるい)までもが、東南アジアから太平洋諸島を渡ってオーストラリアへと次々に移動していった可能性がある。
気候の変化に伴い、それまで諸大陸を隅々まで覆っていた森林の多くがゆっくりと草原へ変わっていった。草原は寒冷化と乾燥化の進んだ気候に適した生息地ではあるが、その反面、食物が不足するという問題がある。結果、草食動物は生き残りのために適応を余儀なくされた。ウマはエナメル質で覆われた頑丈な歯を発達させて繁栄を実現する。バイソン、ラクダ、ヒツジ、キリンなどの反芻動物(はんすうどうぶつ)も複数の部屋に分かれた胃を発達させたが、これは草を消化しやすくする適応だった。草食動物の多くは俊敏な運動能力を発達させ、群れで行動するようになる。それは開けた草原で生き延びるための新たな戦略だった。草食動物を狙う捕食動物も生存のためには適応を果たさざるを得なかったのである。
浅く冷たい海では、新しい種類の大型褐藻類(かっそうるい)ケルプが岩やサンゴに固着し、ラッコや、ゾウと近縁の海生哺乳類であるジュゴンが好む新しい生息地が確立された。この時期にはサメも大型化し、再び海を支配するようになる。最大のサメであるメガロドンは体長が15メートル近くにも及んだ。
陸上では、アジア類人猿とアフリカ類人猿が分岐し、その後数百万年を経てヒト族(ホミニン)が直近の祖先に当たるアフリカ類人猿(チンパンジーの祖先でもある)から分岐した。二足歩行に適応した初期のヒト族は樹上生活を止め、食料や道具を手に持って運び始める。ほかのどの生物とも違っていたこの新種の生物は、その後の地球を変える能力を持っていた。



























