Artwork by Peter Arnold, Inc./Alamy
何が大量絶滅を引き起こしたのか?
これまで地球上には非常に多くの生物が出現してきたが、その90%以上は絶滅の道をたどっている。ニッチ(生態的地位)は常に変化を続けており、それに適応する新しい種が出現する一方で古い種は姿を消す。生物の歴史はこの繰り返しだが、絶滅は常に一定の割合で起きているわけではない。地球では過去5億年に何度か、すべての生物種の50~90%以上が短期間で死滅する事件が起こっている。
大量絶滅はそれまでの生態系には大きな打撃を与えるが、そのおかげで空席が生まれ、新種の生物が出現しやすい環境が作られる。約2億5000万年前には、ペルム紀(二畳紀)と三畳紀を地質学的に分けた史上最大級の大量絶滅事件が起きているが、恐竜が地球上に出現したのはこの事件の後のことだ。最も研究が盛んに行われている大量絶滅は、約6500万年前、白亜紀と古第三紀の境に起きた事件である。このときに恐竜は絶滅したが、哺乳類が急速な多様化と進化を遂げる環境が整えられた。
大量絶滅の原因はいまだ解明されていないが、多くの場合では火山噴火か、小惑星あるいは彗星の大規模な衝突が有力な候補とされている。どちらの場合も大量のちりやほこりが巻き上がり、少なくとも数カ月は地球が暗闇に覆われていたと考えられている。太陽光が遮られたために、植物や草食動物はすぐに死滅してしまったのかもしれない。また、隕石と火山のどちらの場合でも、有毒ガスや温室効果ガスが放出された可能性もあり、ちりが地表に定着した後は、地球が急速に温暖化していったという推測も生んでいる。
小惑星か彗星の衝突という説は、白亜紀末に起きた大量絶滅の原因として語られることが最も多い。メキシコのユカタン半島に存在する巨大なチクシュルーブ・クレーターは約6500万年前に形成されたものと推定されており、白亜期末の大量絶滅と時期が一致しているからだ。同じ頃にインドのデカン高原では火山噴火が起きているが、それに起因する地球温暖化も大量絶滅を悪化させていたかもしれない。いまだ原因は特定されていないが、この事件で恐竜をはじめとする、地球に生息していた全生物種の約半分が絶滅に追いやられた。
三畳紀とジュラ紀の境に起きた大量絶滅は、約2億年前に中央大西洋マグマ分布域から溶岩が洪水のように噴出したことが原因となっている可能性がある。この事件ではすべての海生生物種の約20%が絶滅したほか、哺乳類型生物と大型両生類の大部分、恐竜以外のすべての主竜類も姿を消した。この大量絶滅の原因としては小惑星の衝突も考えられるが、それを裏付けるクレーターはまだ発見されていない。
史上最大の大量絶滅
約2億5000万年前のペルム紀と三畳紀の境には、史上最大級の大量絶滅事件が起きた。このときにはあらゆる生物種の90%以上が死滅している。小惑星か彗星の衝突が引き金になったと多くの科学者たちは考えているが、この事件についてもそれを裏付けるクレーターは見つかっていない。ロシアにはシベリア・トラップという巨大火成岩岩石区があるが、これを形成した大規模な火山活動も有力な候補である。小惑星か彗星の衝突が原因となって火山活動が発生し、それが大量絶滅を引き起こしたという説も可能性としてあり得る。
約3億6000万年前に始まった大量絶滅ではすべての海生生物種の約70%が死滅したが、その進行具合は約2000万年という長い時間をかけたものだった。このデボン紀後期に発生した絶滅事件では、その長期間に10~30万年規模の環境変動が何度も繰り返されていた。陸上では昆虫や植物、初期の原始的な両生類が繁栄していたが、この現象によって大幅に衰退する。
約4億4000万年前、オルドビス紀とシルル紀の境に起きた大量絶滅は、大規模な氷河作用が関係していた。地球の水の多くが凍り付き、海面水位が著しく低下したのである。殻に覆われた腕足動物、ウナギに外見が似ているコノドントや三葉虫など、海生生物への被害が最も大きかった。
いまも起きているのか?
現在は史上6度目の大量絶滅が進行中であると考える科学者も多い。地球の歴史上おそらく最もペースの速い今回の大量絶滅は、間違いなく人間が引き起こしたものだ。大気汚染、土地の開拓、魚の乱獲などがこのまま進めば、現在生息しているあらゆる生物種の半分以上が2100年までに絶滅する恐れがある。
これまで地球上には非常に多くの生物が出現してきたが、その90%以上は絶滅の道をたどっている。ニッチ(生態的地位)は常に変化を続けており、それに適応する新しい種が出現する一方で古い種は姿を消す。生物の歴史はこの繰り返しだが、絶滅は常に一定の割合で起きているわけではない。地球では過去5億年に何度か、すべての生物種の50~90%以上が短期間で死滅する事件が起こっている。
大量絶滅はそれまでの生態系には大きな打撃を与えるが、そのおかげで空席が生まれ、新種の生物が出現しやすい環境が作られる。約2億5000万年前には、ペルム紀(二畳紀)と三畳紀を地質学的に分けた史上最大級の大量絶滅事件が起きているが、恐竜が地球上に出現したのはこの事件の後のことだ。最も研究が盛んに行われている大量絶滅は、約6500万年前、白亜紀と古第三紀の境に起きた事件である。このときに恐竜は絶滅したが、哺乳類が急速な多様化と進化を遂げる環境が整えられた。
大量絶滅の原因はいまだ解明されていないが、多くの場合では火山噴火か、小惑星あるいは彗星の大規模な衝突が有力な候補とされている。どちらの場合も大量のちりやほこりが巻き上がり、少なくとも数カ月は地球が暗闇に覆われていたと考えられている。太陽光が遮られたために、植物や草食動物はすぐに死滅してしまったのかもしれない。また、隕石と火山のどちらの場合でも、有毒ガスや温室効果ガスが放出された可能性もあり、ちりが地表に定着した後は、地球が急速に温暖化していったという推測も生んでいる。
小惑星か彗星の衝突という説は、白亜紀末に起きた大量絶滅の原因として語られることが最も多い。メキシコのユカタン半島に存在する巨大なチクシュルーブ・クレーターは約6500万年前に形成されたものと推定されており、白亜期末の大量絶滅と時期が一致しているからだ。同じ頃にインドのデカン高原では火山噴火が起きているが、それに起因する地球温暖化も大量絶滅を悪化させていたかもしれない。いまだ原因は特定されていないが、この事件で恐竜をはじめとする、地球に生息していた全生物種の約半分が絶滅に追いやられた。
三畳紀とジュラ紀の境に起きた大量絶滅は、約2億年前に中央大西洋マグマ分布域から溶岩が洪水のように噴出したことが原因となっている可能性がある。この事件ではすべての海生生物種の約20%が絶滅したほか、哺乳類型生物と大型両生類の大部分、恐竜以外のすべての主竜類も姿を消した。この大量絶滅の原因としては小惑星の衝突も考えられるが、それを裏付けるクレーターはまだ発見されていない。
史上最大の大量絶滅
約2億5000万年前のペルム紀と三畳紀の境には、史上最大級の大量絶滅事件が起きた。このときにはあらゆる生物種の90%以上が死滅している。小惑星か彗星の衝突が引き金になったと多くの科学者たちは考えているが、この事件についてもそれを裏付けるクレーターは見つかっていない。ロシアにはシベリア・トラップという巨大火成岩岩石区があるが、これを形成した大規模な火山活動も有力な候補である。小惑星か彗星の衝突が原因となって火山活動が発生し、それが大量絶滅を引き起こしたという説も可能性としてあり得る。
約3億6000万年前に始まった大量絶滅ではすべての海生生物種の約70%が死滅したが、その進行具合は約2000万年という長い時間をかけたものだった。このデボン紀後期に発生した絶滅事件では、その長期間に10~30万年規模の環境変動が何度も繰り返されていた。陸上では昆虫や植物、初期の原始的な両生類が繁栄していたが、この現象によって大幅に衰退する。
約4億4000万年前、オルドビス紀とシルル紀の境に起きた大量絶滅は、大規模な氷河作用が関係していた。地球の水の多くが凍り付き、海面水位が著しく低下したのである。殻に覆われた腕足動物、ウナギに外見が似ているコノドントや三葉虫など、海生生物への被害が最も大きかった。
いまも起きているのか?
現在は史上6度目の大量絶滅が進行中であると考える科学者も多い。地球の歴史上おそらく最もペースの速い今回の大量絶滅は、間違いなく人間が引き起こしたものだ。大気汚染、土地の開拓、魚の乱獲などがこのまま進めば、現在生息しているあらゆる生物種の半分以上が2100年までに絶滅する恐れがある。


































