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写真集:オーロラ

石炭紀


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Artwork from the Natural History Museum/Alamy
Map by Christopher Scotese, www.scotese.com

3億5900万~2億9900万年前

 石炭紀は古生代後期の1区分だが、その名前はこの時代の地層が石炭を大量に産出することに由来している。古代の植物から形成された石炭鉱床のほとんどはヨーロッパの一部や北アメリカ、アジアで見つかっているが、これらの地域は石炭紀には木々の生い茂る熱帯地域だった。

 アメリカでは、石炭紀を2期に分け、前期をミシシッピ紀(3億5920万~3億1810万年前)、後期をペンシルバニア紀(3億1810万~2億9900万年前)と呼ぶ場合がある。

 ミシシッピ紀の時点では、現在の北アメリカやヨーロッパ北部、グリーンランドで構成されていたローラシア大陸は、南方にある巨大で寒冷な超大陸ゴンドワナとは分断されていた。ローラシア大陸の東方、中国を含めたアジアの一部は暖かい海に囲まれていた。ゴンドワナはこの時期に南極方向への移動を再開したため、さらなる寒冷化が進んでいたが、ローラシアなどの熱帯の陸塊は依然として湿潤地帯のままだった。

石炭の時代

 石炭紀の石炭を形成したのは、低地に広がる沼沢林(しょうたくりん)に群生していた樹皮で覆われている樹木である。巨大なヒカゲノカズラ、木生シダ類、大型のトクサ、帯状の葉を持つ高木などを例として挙げることができる。これら植物の残骸が有機物として堆積し、数百万年をかけて世界初の膨大な石炭鉱床が形成された。この石炭は現在も燃料として利用されている。

 沼沢林が拡大すると、二酸化炭素が大量に吸収され、酸素が過剰に供給されるようになった。現在の酸素濃度は21%であるが、この時期は最高で約35%にまで達していた。酸素が豊富になったことは維管束植物の急激な大型化をもたらしたが、それだけではなく、巨大な爬行(はこう)生物が出現する原因になっていた可能性もある。なぜなら、昆虫などの生物がどこまで大きくなるかは、呼吸可能な酸素の量で決まると考えられているからだ。

 石炭紀には、約2メートルに成長する猛毒のムカデ類のほか、最大1メートルにもなる巨大なゴキブリやサソリも地を這って歩いていた。中でも驚異的な存在だったのは、カモメほどの大きさまで成長していたトンボである。3億2000万年前に死んだトンボの化石が当時の姿を細部まで留めた状態で見つかっているが、その翼幅は75センチもあった。

 昆虫が空を飛ぶようになった原点はいまだ解明されていない。昆虫の羽は、太陽光を集めて体を温めるなど、体温調節器官が発達したものだという説がある。あるいは、求愛や威嚇などの示威行動に利用されていた色鮮やかな器官から進化したという説や、石炭紀に生い茂っていた森の木々の間を滑空するために使われていた外肢が原点だとする説までさまざまだ。

両生類の進化

 石炭紀には両生類も大型化と多様化が進んでいた。例えば、鋭い歯を持つ現生のワニに似た捕食種が生息していたが、その体長は最大で約6メートルもあった。一部の両生類は水から長時間離れても乾燥してしまわないように、厚みのあるウロコ状の皮膚を発達させた。また、有羊膜卵を生むという画期的な進化的適応を遂げ、両生類の生息域が湿地以外に広がったのもこの時期である。有羊膜卵は液体を保持する膜で内部の胚を保護したが、それによって胚の呼吸が阻害されることはなかった。ほどなくして、初期の爬虫類も出現している。化石化した石炭紀の切り株の中で発見された化石から判断すると、初期の爬虫類は動きの素早いトカゲに似た小動物だった。

 ペンシルバニア紀後期にはアフリカが北アメリカ東部と衝突したが、この衝突で形成されたのがアパラチア山脈である。この新しい山脈の西側にある低地には、後に石炭を形成する沼沢林が広がっていた。

 石炭紀が終わる頃には地球のすべての大陸が1カ所に集まり始め、超大陸パンゲアが形成されようとしていた。



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