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地球を保護する緩衝装置
地球の大気は、私たちが呼吸をする空気というだけの存在ではない。隕石が地上に降り注いでこないのも、有害な放射線が私たちを直撃しないのも、大気が緩衝装置の役割を果たしているからであり、電波が地球上の遠くまで届くのも大気が電波を反射するからである。
このような役割を果たす大気は、大きく5つの層に分かれている。
一番下に位置しているのは対流圏だ。地球の気象現象のほとんどはこの層で起きており、地球大気全体の質量の約8割をこの層が占めているが、その厚みは最も厚い赤道付近でも高度約17キロまでであり、極付近では10キロに満たない。
対流圏を意味する英語“troposphere”は、ギリシャ語で「混ざる」を意味する“tropos”が語源となっている。地表の近くで暖められた空気は上昇して雲を形成し、その雲から雨が降る。その下では、風が地表をかき乱している。対流圏ではこうした「混ざる」現象が起きている。対流圏ではほとんどの場合、高度が上がるほど気温は低下する。
対流圏のすぐ上は、高度約50キロまで広がる成層圏である。オゾン層はこの中に存在し、太陽から放射される有害な紫外線の多くを遮断している。
対流圏と異なり、成層圏は高度に比例して気温が上昇するが、これはオゾンが吸収した紫外線のエネルギーに原因がある。最下部は約マイナス80度と極めて低温だが、最上部は氷点近くまで上昇する。
成層圏の上に広がる中間圏に入ると、気温は再び下降を始め、高度85キロ付近の最上部では約マイナス120度に達する。地球の表面が月のようにクレーターで覆われていないのは、隕石のほとんどがこの層で燃え尽きてしまうからだ。
ここから宇宙空間へ
中間圏の上、高度690キロあたりまで広がる電離圏は、大気が薄いことから一般的には大気圏外とみなされており、国際宇宙ステーションや多数の人工衛星がこの層で地球を周回している。
電離圏では、太陽光線などの宇宙線を受けた原子が“電離”してイオンが作られている。通信衛星のない時代に海を挟んで無線通信を実現できたのは、それらのイオンから電波を反射する電気の層が形成されるためだ。電離圏は、南北の極地方で見られるオーロラの発生場所でもある。
電離圏の上は最外層の外気圏である。高度1000キロ~1万キロの範囲で広がっており、その先は惑星間空間となる。この大気の薄い層は太陽風の圧力を直に受けて圧縮されているが、太陽活動が穏やかになると、最上部は外側へ広がる。
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