南アフリカは、アフリカ大陸の最南端に位置する。アフリカ大陸では最大の面積を持ち、経済的にも最も発展した国である。19世紀後半にダイヤモンドと金が発見され、アフリカの部族民、ボーア人(オランダ系移民の子孫)の農民、およびイギリス人商人が住むこの国を、産業大国へと変貌させた。現在ではハイテク機器を生産し、世界有数の金およびダイヤモンドの産出国となっている。南アフリカ第1の都市ヨハネスバーグとその衛星都市は高地の草原地帯に位置する。800万人を超える市民が居住しており、アフリカ全体の経済活動の9%を担っている。
1948〜91年の南アフリカの政治制度は、黒人をホームランドと名付けた辺境地区に隔離する人種隔離政策、アパルトヘイトに特徴づけられる。黒人あるいはアフリカ人が人口の78%を占め、白人は10%、混血を意味するカラード(混血)が8.7%、インド人を主体としたアジア人が2.5%である。1989年、国内での抵抗と国際社会からの経済制裁に促される形で、改革派の政府がアパルトヘイト撤廃の手続きに着手した。翌年、長期にわたって投獄されていた黒人解放運動指導者ネルソン・マンデラが釈放された。
1991年半ばまでには、アパルトヘイト関連法はすべて廃止された。その中には南アフリカ国民を人種で分類し、アパルトヘイトの軸として広く認識されていた人口登録法も含まれていた。現行の憲法を人種間平等の原則に基づき改正するため、1992年3月、白人政権が交渉開始に賛同する旨を表明した。1993年には多党交渉フォーラムが実現。1994年には全人種が参加する最初の選挙が実施された。その結果新しい大統領としてフレデリック・W・デ・クラーク前大統領と1993年のノーベル平和賞を受賞したネルソン・マンデラが選出され、黒人のホームランドは廃止された。
21世紀に入り、すべての人種で構成される議会を持つ民主国家となった南アフリカは、「虹の国」と称されることもある。政府は英語を含む11の言語を公用語としている。現在の南アフリカは、数十年間に及んだ社会の混乱や失われた教育を埋め合わせつつある。しかし高い失業率とエイズの蔓延が経済成長を脅かしている。エイズに対する有効な予防策や治療法が見つからなければ、エイズによる死亡者数は2010年までに累計で500万から700万人に上ると予測されている。
経済主要産業: 鉱業 (白金, 金, クロム), 車両組立, 金属加工, 機械
主要農業: トウモロコシ, 小麦, サトウキビ, 果実; 牛肉
主要輸出: 金, ダイヤモンド, 白金, 鉱石, 機械, 備品