エチオピアはアフリカ北東の内陸国で、「アフリカの角」と呼ばれる半島の根元に位置する。中央部は標高4000メートルの山岳地帯であり、グレート・リフト・バレー(大地溝帯)が斜めに縦断する。西部の高地は夏に雨が多いが、低地と東部の高地は気温が高く乾燥している。人口は、首都アディスアベバがある西部の高地に集中している。アディスアベバはアフリカ各国の首都の中で最も標高が高く、標高2400メートルの高さにある。高地のキリスト教徒と低地のイスラム教徒がほぼ同数おり、オロモ族、アムハラ族、ティグレ族が3大部族である。
2000年以上とも言われる歴史を持つこの国は、近年は飢餓と戦争により荒廃した。4世紀に伝来したキリスト教は、イスラム教徒の圧力からも守り続けられ、現在もエチオピア正教会として多くの信者がいる。歴代の皇帝はみなヨーロッパの植民地となることを拒んできたが、1936〜41年の間はイタリアに占領された。1974年に皇帝ハイレ・セラシエ1世が廃位され、帝政の時代が終わる。
エチオピア人口の大半は農業と牧畜に従事している。しかし、森林破壊や干ばつ、土壌の浸食により穀物収穫量が激減し、飢饉を引き起こしたため、この数十年の間、700万もの人々が飢餓に苦しんでいる。高い出産率とソマリアからの難民により、エチオピアの経済はさらに困窮を極めている。
30年におよぶエチオピア政府軍と、エリトリア民族主義者と結んだ反乱軍との内戦は、1991年5月にエチオピア政府の敗北で終結した。暫定政府のもとで、1993年にエリトリアは独立し、エチオピアは紅海へのアクセスを失い、内陸国となった。1994年の新憲法によって、エチオピアは民族に基づく9つの州に分けられた。1998〜2000年のエリトリアとの国境紛争によって数万人が犠牲になり、国連監視下で協定が結ばれ、国境が画定されることになったが、いまも決着せず両国軍が対峙している。
経済主要産業: 食品加工, 飲料, 繊維, 薬品
主要農業: 穀物, 豆類, コーヒー, 油料種子; 畜牛; 皮革
主要輸出: コーヒー, 金, 皮革製品, 家畜, 油料種子