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カイロのスラム街で進むエネルギー革命 |
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Ker Than for National Geographic News |
| August 28, 2009 |
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エジプト最大の都市にあるスラム街で、太陽熱温水器の導入が進んでいる。住民たちは共同住宅の屋根に設置された集熱器によって、クリーンなエネルギーと水だけでなく、生活を自ら改善していくチャンスを手に入れている。 2003年以降、カイロにあるキリスト教系コプト教徒居住区とイスラム教徒居住区には、34カ所に太陽熱を利用した給湯設備が、5カ所にバイオガス発生装置が導入されてきた。この事業を進めたのは非営利プロジェクトの「ソーラー・シティ(Solar CITIES)」だ。 「このプロジェクトのユニークな点は、都市環境の改善に地方型の手法を取り入れたところにある」と、同プロジェクトのリーダーを務めるトーマス・“T.H”・カルヘイン氏は話す。都市設計に携わる同氏は、ナショナル ジオグラフィック協会の2009年のエマージング探検家でもある。 ソーラー・シティの活動範囲は現在のところカイロに限られているが、動画投稿サイト「YouTube」でも太陽熱温水器の給湯設備を構築・設置する方法を紹介している。 ソーラー・シティの給湯設備を構成するのはリサイクル部品だ。さらに、水や電力の安定供給が困難な地域に適した仕様になっている。「専門業者が取り扱う太陽熱温水器の問題点は、水道が整備された都市に合わせて作られていることだ」とカルヘイン氏は指摘する。一方ソーラー・シティの太陽熱温水器は、可能な場合は水道を利用するが、そうでない場合は貯水タンクの水を活用する。 集熱部分は断熱されたケースでできており、その中の黒く塗られたアルミのシートを巻きつけた銅のパイプに水が流れるようになっている。黒いアルミシートに当たった太陽光は熱に変わり、パイプを流れる水を温める仕組みだ。ケース上面はガラス板またはプラスチックで覆って外気から断熱している。 最高水温が80度にもなる水はプラスチック製の樽に流れ込む。保温加工されているので日没後も長時間高い温度に保たれ、温水が共同住宅へと供給される。 ソーラー・シティは、バイオガス発生装置の導入にも取り組んでいる。カルヘイン氏がインドで活動していたときに目にしたアイデアを土台としたもので、動物の内臓から採取したバクテリアによって生ゴミを可燃性ガスに分解し、料理や暖房に利用する。 必要に応じて太陽熱温水器の給湯設備から温水を引き込み、バクテリアが生存可能な温度を維持することも可能だ。ガスはシンプルなプラスチック管を通じて供給され、住民たちの生活においてさまざまに活用される。 「生ゴミは、24時間以内に調理用のガスへと生まれ変わり、1日に2時間は利用できる」とカルヘイン氏は述べている。このバイオガス発生装置は、多くの住民が現在利用しているガスに比べ安定供給が可能だ。 カイロの貧困層の家庭には電気ストーブがない。電気ストーブではろくに食事を温めることができないうえ、費用も高くつくからだ。そのため電気は、照明と冷蔵庫にのみ使用されているのが現状だという。調理は多くの場合、ストーブで生ゴミを燃やすか、業者からガスボンベを数週間おきに買わなければならない。 コロラド州ボールダーのナマステ・ソーラー社(Namaste Solar)の社長ブレーク・ジョーンズ氏は、「地方並みにインフラが整備されていない区域が多く存在するカイロにとって、太陽エネルギーは理にかなった手段だ」とコメントしている。 同氏はかつてカイロに在住していたことがあり、またネパールの各地で太陽エネルギー・システムの導入に尽力した経験を持つ。「ソーラー・シティの活動が成功すれば、エジプト全体における変化のきっかけともなり得るだろう」と、同氏は期待を寄せている。 カイロに新たな道を切り拓いたこのエネルギー・システムは今後、他国にも導入されていく見通しだという。 今秋カルヘイン氏は、アメリカで公共事業コンサルタントとしてフリーで活躍するフランク・ディ・マッサ氏とチームを組み、カリフォルニア州サンタロサにあるヒスパニック系の貧民街で住宅の改築に着手する予定だ。この改築には、エジプトで成功を収めた太陽熱テクノロジーと同種のシステムが利用されるという。 Photograph courtesy T.H. Culhane |
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