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海洋エネルギー発電の技術革新を目的とした「サルタイア賞」という賞が創設された。海洋エネルギーの最も効率的な利用方法を開発した研究チームに、賞金1500万米ドルが贈られる。
海洋エネルギーは再生可能なこともあり、化石燃料の代替エネルギーとして期待されている。同賞に輝いた技術は、地球温暖化をもたらす化石燃料に代わる重要なエネルギー源を提供することになる。
スコットランドのアレックス・サモンド首相は12月2日、「サルタイア賞チャレンジ」と銘打って、同賞の詳細を発表した。それによると、同賞はスコットランド海域において最も経済性の高い波力発電または潮力発電を実現したチームに贈られる。発電能力としては数千件単位の家庭に送電できることが求められる。受賞したチームは、海洋エネルギーのみを利用して発電した電気を2年間にわたり継続して供給することが定められている。
「これはスコットランド発の世界的なチャレンジだ。才能と良心にあふれる世界中の人材が存分に能力を発揮して、環境に優しい海洋エネルギー技術の革新を推し進めてほしい」とサモンド首相は語った。
「サルタイア」という賞名は、スコットランドの国旗に描かれた聖アンデレ十字(サルタイア)というX字型のシンボルから名付けられた。X字型という点では、アンサリ・エックスプライズという有人宇宙飛行コンテストの名前にもちなんでいる。アンサリ・エックスプライズの賞金は1000万米ドルで、2004年にはこの賞の結果、民間企業による初の有人宇宙飛行が実現した。
「スコットランドは潮力発電において、ヨーロッパ全体の4分の1を占めるほどの潜在能力を持っている。スコットランド北部沿岸とオークニー諸島の間にあるペントランド海峡などは、石油の産出地域で例えればサウジアラビアのような、海洋エネルギーの宝庫だ」とサモンド首相は説明している。
スコットランドでは2020年までに、電力需要の50%を再生可能な資源から得られるようになることを目指している。
サルタイア賞委員会メンバーの1人、ナショナル ジオグラフィック協会のテリー・ガルシア副理事長は次のように話す。
「スコットランド海域に限らず、世界中の海洋にエネルギー利用の大きな可能性がある。海洋エネルギーだけで需要に応えるのは難しいが、これまでの課題を解決するために重要な役割を担うだろう。この賞は技術革新の促進をはじめ、海洋エネルギー利用の経済的な成功や、持続可能な方法による大規模展開を実現することを目的としている」。
海洋エネルギーを利用した発電は、主に波力発電と潮力発電の2種類に分類される。波力発電では、発電機を内蔵した浮体構造物を海に浮かべ、水面の上下を利用して電力を得る。潮力発電では、海中に風力発電の風車に似たタービンを並べ、潮汐力を利用して発電する。
イギリスのサウサンプトン大学で持続可能エネルギー研究グループを率いるアブバカル・バハジ氏はこう語る。「潮汐力は非常に予測しやすく、再生可能エネルギーの中で最も信頼性が高い。一方、波力は風に頼るので予測が難しいことで知られている」。
とはいえ、波力発電にもかなりの能力が期待されている。バハジ氏によると、「イギリスでは国内の電力供給の20%を波力発電でまかなえると見積もっており、潮力発電の5~10%に比べても多いくらいだ」という。
「海洋エネルギー発電では、発電設備の開発が最も困難な課題になる。変わりやすい海洋環境でも安心して運用でき、メンテナンスしなくても5~10年は大丈夫な設備が求められる。多数の機器が各所で連係して働くようにする技術も必要だ」と同氏は述べている。
Images courtesy Government of Scotland









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