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最新の研究によると、来世紀の海面水位は、天変地異というほどではないが、従来の予想よりも少し高くなるという。
今回の研究を行った科学者チームは「海面水位は2100年までに0.8~2メートル上昇する可能性が高い」と予測している。科学者の中には「2100年までに5メートル上昇する可能性がある」と警告する者もいるが、今回の研究は、そこまでの上昇はないと推定している。
研究チームの代表でコロラド大学ボルダー校のタッド・フェファー氏は「今回の研究で予測した海面上昇は、“ハリウッド映画のような天変地異”をもたらすものではない。だからといって、この数値を軽視して良いというわけではない」と話す。
温室効果ガスにより地球が温暖化するときには、極地や高地で最も温暖化が進む(温室効果とは)。これにより、グリーンランドや南極大陸にある氷河や氷冠、広大な氷床が融解し分裂する(グリーンランドの巨大氷河崩壊)。
フェファー氏の率いる研究チームは今回の最新研究で、「5メートル以上の海面上昇」という予測値の妥当性について検討した。その結論として、この数値を非現実なものと判断している。研究チームは、氷が岩盤から流れ落ちやすい河口に焦点を当て、それほどの大規模な海面上昇をもたらすには、グリーンランドの大陸氷河がどれほどの速度で海洋に向かって移動する必要があるか調査した。
「海面が5メートル上昇するには、信じられないほどの速さで氷河が流れ出る必要がある。絶対にあり得ないとまでは言えないが、5メートルという予測値は、現実的には異常な値だ」とフェファー氏は話す。そして、今回の研究では「海面水位は2100年までに2メートル上昇する」という予測の方が妥当性が高いと結論付けている。
「2メートルの上昇でも、バングラデシュの大半は水没し、大勢の人が故郷を追われる。また、ニューオーリンズやニューヨークなど低地にある沿岸都市の多くが危険にさらされるだろう」と研究チームは警告している。
今回の研究は、9月5日に発行される「Science」誌に掲載される。
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が2007年に公表した第4次評価報告書は、気候変動に関する最新の科学的コンセンサスを示すものだが、ここでは「海面水位は2100年までに18~59センチ上昇する」と予測されている。しかし、大半の科学者が「これは控えめな予測値だ」という点で意見が一致している。フェファー氏は、「IPCCの報告書は動的なメカニズムを明示的に除外している。つまり、融氷水として流れ込む影響だけを対象としており、氷塊が分離して海洋に流れ落ちる影響を考慮していない。氷塊が陸地から落ちれば融解していなくても海面水位は上昇するわけで、IPCCの予測値は小さいとみんなが認めている」と語る。
ウィスコンシン大学マディソン校の地球物理学者アンダース・カールソン氏は、フェファー氏らの研究を評価して次のように話す。「この研究には、IPCCが省略した動的なメカニズムが組み込まれている。この研究は、海面水位がIPCC報告書の予測値よりも上昇する可能性が高いことを示している」。この点は、カールソン氏が率いる研究チームが行った最新研究と一致している。カールソン氏らの研究(予想を上回るペースで海面が上昇か)は、最後の氷河期に北アメリカを覆っていた古代のローレンシア氷床が残した痕跡を調査したものである。
Photograph by George F. Mobley/NGS

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