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最新の研究によると、石器時代の人類は化学知識を駆使して天然素材から高性能接着剤を精製していた可能性があるという。当時の人々は、赤土に含まれる酸化鉄の化学的・物理的性質を熟知しており、それをアカシアの樹液と巧みに混ぜ合わせて、石器にその柄(え)を固定する接着剤としていたらしい。
このような暗赤色の顔料(ベンガラ)は、7万年ほど前に現在の南アフリカにあたる地域に暮らしていた人々が装飾やシンボルとして使っていたとする学説が有力だったが、同じ材料が石器を強固に組む接着剤としても利用されていたとする説もあった。
そこで今回、南アフリカの研究チームが、石器時代の素材と技術だけを用いて古代の接着剤の再現を試みた。検証の結果、赤土を適度に混ぜ込んだ接着剤は、アカシアの樹液だけで作った接着剤よりも耐久性に優れ、粉々に崩れないことが判明した。
研究チームの一員で南アフリカのヨハネスバーグにあるウィットウォータースランド大学のリン・ワドリー氏は、「赤土を混ぜると接着剤の強度が増し、柄の部分から石が抜けることがなくなった」と話す。
古代アフリカ人にとって接着剤の精製は容易ではなかったはずである。さまざまな樹木から取れる樹液それぞれの化学的性質や、各地の地層から産出される赤土や黄土の鉄含有量について細かく知る必要がある。
ワドリー氏によれば、「古代人が水素イオン指数(pH)や鉄含有量に関する化学的な知識を持ち合わせていたとは到底考えられない。しかし、ある特定の組み合わせだと非常にうまくいくということは理解していた」という。
石器時代の人類と現代人の知性には、それほど大きいギャップは存在しないのかもしれない。ワドリー氏は次のように述べている。「今回の研究により、私たち現代人と古代人との間に重なり合う部分が大きく存在することが判明した。古代人の技術は、現代人が思っているレベルよりもはるかに優れたものであった」。
今回の研究は、今週発行の「Proceedings of the National Academy of Sciences」誌に掲載される。
Photograph courtesy Lyn Wadley

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