for National Geographic magazine
鳴き鳥の個別の渡り行動が初めて全ルートにわたって追跡された。従来の研究を数千キロも超える長距離の追跡に成功し、鳴き鳥がこれまでの想定の2~3倍という速いスピードで移動していることが分かった。
モリツグミ14羽とムラサキツバメ20羽に小型の記録計(ジオロケーター)を装着した結果、北アメリカと熱帯地方を行き来する行程がかつてないほど正確に記録されたという。
ムラサキツバメ2羽についてはアメリカのペンシルバニア州とアマゾン盆地を往復する約1万5000キロの道のりが、モリツグミ5羽についても中央アメリカまでの間を行き来する行程が記録された。小型で軽量なジオロケーターを利用することによって、こうした小さな鳴き鳥の追跡が可能になった。
「これは飛躍的な進歩だ。鳴き鳥たちがペンシルバニア州の繁殖地を出てどこで冬を過ごし、どのようにそこへたどり着くのかを正確に追跡できた。鳥類の渡り行動を研究する者たちにとって、この調査は長年の夢だった」と、カナダのトロントにあるヨーク大学の生物学者で、この研究を率いたブリジット・スタッチベリー氏は語る。
同氏はナショナル ジオグラフィック協会の研究・探検委員会の支援の下に研究を進めた。この研究は「Science」誌の今週号に掲載されている。
同氏らの研究チームは2007年の夏に対象とする鳴き鳥を放ち、翌年の春に戻ってきた個体を捕獲した。そこから鳥たちのたどったルートや移動スピードのデータが明らかになった。
その結果、秋に渡り先へ向かうときよりも、春に戻ってくるときの方が2~6倍もスピードが速いことが判明したという。あるメスのムラサキツバメなどはわずか13日間で戻ってきており、1日約577キロの速さで飛んでいたことになる。鳴き鳥の飛行スピードは従来、1日150キロと考えられていたが、この推定値が大幅に塗り替えられることになった。
鳴き鳥は世界中に生息する鳥類の約46%を占めるが、あまりに華奢な体なので重い装置を背負って飛ぶことができない。したがって、最も精密な追跡機器である衛星タグを装着させ、コンピューターへ即座に位置情報を中継するという調査は不可能だった。
そのため、鳴き鳥の渡り行動の研究には主に「スナップショット」方式が取られてきた。つまり、気象レーダーの画面で渡りを行っている鳥たちを大きな群れの単位で観察する、あるいは鳥に印をつけて渡りの途中で再び捕まえて確認するといった方法だ。
1973年には無線送信機を使った調査も実施されている。このときは1羽のツグミが約1510キロにわたって追跡されたが、これでもほかに類を見ないほど長距離の記録だった。
今回の研究ではこれを圧倒的に上回る距離の追跡に成功した。これは技術の進歩によって追跡装置の小型化が可能になったためだ。
研究では1円硬貨よりやや小さい大きさで、28グラム程度しかない電池式のジオロケーターが使用された。この装置で、緯度や経度によって変化する日の出と日没の光が記録され、データが保存された。
追跡結果からは、鳴き鳥たちの中に秋の渡りの途中でのんびり寄り道をする者がいることも分かった。ムラサキツバメの場合、メキシコのユカタン半島を中継地として3~4週間も滞在していた。また、モリツグミはホンジュラスやニカラグアを越冬地として身を寄せ合って過ごしていることも明らかになったという。こうした情報は、今後の保護活動にも役立つ可能性がある。
モリツグミの数は過去40年で約30%も減少しているため、「ホンジュラスやニカラグアは重要な保護対象地域だ」とスタッチベリー氏は話す。この地域での森林伐採や生息地の喪失が減少の一因となっている恐れもある。
「ジオロケーターの素晴らしいところは、個々の種を直接保護する活動に役立てられるという点だ。鳴き鳥は昆虫の数を調整し、また種子をまき散らすことで森を保全する役割も果たすので、保護は重要な課題になる」と同氏は強調した。
鳴き鳥にはア
Photographs by Robert Ronconi (GMWSRS)

印刷用ページ
友人に教える





















