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10年前には遠い未来の問題だと考えられていた世界的気候変動が、予想以上に早く到来したようだ。この10年で、特に南極の氷床の融解と北極の氷河の後退が予測以上のスピードで急激に進んでおり、危険な兆候だと環境の専門家は警告している。
2007年夏、北極海の氷は史上最小レベルまで減少した。今後10年で、夏期の北極の氷は消失するという見方もある。調査によれば、北極の氷の消失で引き起こされる問題は北極海域の時化(しけ)だけではない。北半球全体の気象パターンにも大きく影響する。氷に頼って狩りや子育てをするホッキョクグマも絶滅の危機に追いやられている。だが一方で、海運や資源開発といった事業には寄与している部分もある。
気候変動は、この10年ではっきりとその影響力を現しつつあるのだ。
氷の融解や干ばつ、春の早期到来、さらにホッキ
ワシントンD.C.を拠点とする国際的な非営利環境保護団体のピュー慈善財団で責任者を務めるジョシュア・ライカート氏は次のように話す。「近年、兆候は世界中で認識され始めている。多くの人々が、気候変動を引き起こしたのは人間であるという事実を受け止めている。温室効果ガスの排出を抑制しなければ、自然だけでなく人間にとっても絶望的な未来が待っていると考え始めたのだ」。
温室効果ガスの排出量を抑制しようと、風力から犬の排泄物にいたるまで再生可能エネルギー資源の研究や投資が世界各地で進んでいる。2009年に行われた国連環境計画(UNEP)の調査によると、水力発電やバイオ燃料などに対する2008年の投資額は全世界で1550億米ドル(およそ13兆円)に上るという。これは2004年の4倍にあたる数字だ。
1997年、「Nature」誌に掲載された研究で、自然は、湿地による浄水機能から食糧、娯楽など17項目にわたって毎年33兆米ドル(約3000兆円)もの資源を人類にもたらしているという結果になった。
「だが、この研究結果の大部分は無視された」。ノースカロライナ州ダーラムにあるデューク大学の生物学者で今回の研究に参加したスチュアート・ピム氏は話す。「この研究から10年以上が経過した。だが、われわれが話題にするのは、森林伐採に起因する二酸化炭素排出量の削減といった開発途上国の取り組みへの投資額が数百億ドルに達するといった費用の面ばかりだ」。
ただし、先進国の一部にはこのメッセージが届いたようだ。「この10年で、森林保全への取り組みは盛んになりつつある」と前出のライカート氏は述べている。
例えばカナダでは、5060万ヘクタール以上の森林を保護地域に指定している。この面積はカリフォルニア州より広い。アメリカでも、2370万ヘクタールにおよぶ未開拓地を保護するとの公約がクリントン政権末期に発表され、それ以来さまざまな取り組みが行われている。
ライカート氏によると、最近ではアメ
しかし、すべきことはまだ多く残されているとの主張もある。「森林や草原、湿地など、数々の自然がいまだに破壊され失われ続けている」と世界自然保護基金(WWF)アメ
「たしかに、飲用や灌漑(かんがい)用、工業用に回せる水に限りがある事実は、この10年で一般に広く認識されるようになった。だが需要が増え続ければ、水資源は危機的な状況に追い込まれる。いずれは人間だけでなく自然環境の存続も危ぶまれるほどの深刻な問題に発展するだろう」。
アメ
同氏によると、河川が干ばつによって海まで到達する前に枯れてしまうという事態が世界各地で起こっているという。さらに、世界でも屈指の農業大国であるインドや中国、アメリカ、パキスタンで、農業用地下水が枯渇しつつある。
「つまり、水資源の乱用によってかろうじて維持される食糧経済など泡のようにはかないもので、はじけて消える日がいずれは訪れるということだ」と同氏は警鐘を鳴らしている。
Photograph by Paul Nicklen, NGS









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