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2008年、北アメリカ全域で平均気温が低下した。地球温暖化が進んでいるという議論と矛盾するようだが、そうではない。最新の研究によると、この寒冷化現象は地球の大気循環のパターンが自然に変化したことによるもので、地球温暖化の影響を一時的に覆い隠しているが、温暖化はむしろ進行しているという。
北アメリカ大陸の全域で見られた気温の低下は、ラニーニャ現象によって太平洋の水温が例年より長期に渡って低下したためであることが、コンピューターシミュレーションに基づく今回の研究で示された。
ラニーニャが起きると熱帯太平洋東部の海面温度が下がる。平年より摂氏4度も下がることもある。
ラニーニャは数年ごとに発生し、約1年続くのが普通である。しかし、研究の責任者である米国海洋大気庁(NOAA)のジュディス・パールウィッツ氏によると、2007年に始まったラニーニャ現象はおよそ2年間続いたという。これがジェット気流のパターンと、北アメリカ一帯のいわゆる低気圧経路に影響を与えた。「熱帯太平洋の海面温度が低下すると、冷たい空気が北アメリカに入り込むような大気循環のパターンが生じる」。
NOAAの気象学者で今回の研究に参加していないデイビッド・イースターリング氏は、2008年の北アメリカの気温は平均を下回ったが、地球全体ではむしろ記録的な高温だったと指摘する。「自分が住む地域のことだけ気にして、地球全体の気候を考えない人は多い」。
研究チームは2008年の海面温度の観測データを用いて、同年の海面温度の変化が北アメリカの年間地表気温に与えた影響をコンピューターを使ってモデル化した。
このモデルでシミュレーションを行ったところ、モデルによる地表気温の理論値が実測値とほぼ一致した。例えば、実際の観測データとコンピューターモデルのどちらを使った気温分布図でも、北アメリカ北西部の気温が過去と比べて低いことが示された。
研究チームは、火山の噴火や太陽活動など、気温低下の原因となりうる別の要因も検証した。しかし観測された気温の低下を説明できるような火山の噴火は起きていなかった。また、2008年は太陽活動が11年ぶりの低い水準に縮小したが、その影響は小さく、気温の低下を引き起こすほどではなかったと研究チームは結論づけた。
イギリス気象庁ハドレー・センターで気候変動の監視と原因究明を担当する部署の責任者を務めるピーター・ストット氏は、今回の研究は2008年の北アメリカ寒冷化の説明として説得力があると評価する。「2008年に観測された海面温度のパターンが、アメリカのここ数年で最大の寒冷化にどう繋がったのかを、この研究は極めて明確に示している」。なおストット氏は今回の研究には参加していない。
また同氏は、地球温暖化が進行しているからといって気温が毎年上がるわけではないと付け加える。
例えば、地球温
ラニーニャなどの自然現象があれば、地球
アメリカの国立大気研究センター(NCAR)の大気科学者ケビン・トレンバース氏も今回の研究には参加していないが、ストット氏の意見に賛同する。「気温の平均水準が変化しても人間はそれに順応するし、これからも年によって気温は変動するだろう。地球
この研究は2009年12月8日発行の「Geophysical Research Letters」誌に掲載された。
Photograph courtesy NOAA









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