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ラテン系民族が到達する以前、南アメリカ大陸には古代人の文化が栄えていた。この古代人たちが共同墓地の周辺で、手の込んだ祭りを催していたことが新たな考古学研究で分かった。付近には、現代でいうバーベキュー場のような飲食の場も設けられていたという。
ブラジルやアルゼンチンの高地に点在する12~13世紀の埋葬塚を発掘したところ、土造りの炉が非常に数多く発見された。このような共同墓地の周囲で、共同体の長老を追悼する祭りが習慣的に催されていた可能性が示唆されている。
イギリスにあるエクセター大学の考古学者で、この研究の共同執筆者であるホセ・イリアルテ教授は、「重要な人物を埋葬した共同墓地の近くで、炉で蒸した肉や、トウモロコシで作ったビールを楽しんでいた」と説明する。
埋葬塚の周りには大きな円を描くようにして土が盛られ、中央部に向けて道がのびていた。周囲の盛り土には、何世代にもわたって造られた多数の炉が遺されていた。
同教授によると、「この伝統行事は、ブラジルのサンパウロ州南部からアルゼンチンのリオ・グランデ・ド・スル州まで何キロにもわたって広まっていった」という。
12~13世紀当時、この地域に暮らしていたフェ(Jê)族という人々については、トウモロコシと蜂蜜で作ったアルコール飲料を頻繁に飲んでいたという記録が残っている。そのため、「トウモロコシや、儀式のときによく食べられていた松の実が豊富な時期に祭りは行われていた」と同教授は考えている。
トウモロコシのカスが付着した陶磁器製の飲酒用コップやボウル、種類は不明だが動物の肉の食べ残しなども見つかっている。
この研究は、12月に発行されたアメリカ考古学協会の機関誌「Antiquity」に掲載されている。
従来の考古学では、フェ族の人々は小規模な遊牧民の集団だと考えられてきた。「だが、今回の発見でこの説は覆された。南アメリカ大陸のこの地域では、意外にも組織化されたかなり大きな集団が局地的に発達していたようだ」と同教授は語る。
研究チームは炉のほか、地下住居も発見したという。大型の屋根付き住居が、植物や動物の種類に富んだ住みやすい場所に見つかったことから、フェ族は狩猟採集、園芸、漁労、焼き畑農業などで大規模な集団を維持していたとみられる。
アマゾン地方を専門に研究するフロリダ大学の考古学・人類学者マイケル・ヘッケンバーガー氏は、イリアルテ教授らの研究について次のようにコメントしている。
「この研究によって、この地域にも最低限度以上の生活をする部族がいたことが実証された。しかも、フェ族は他の部族とは違って、活動的かつ継続的な定住生活を営み、儀式を発展させていたことも分かった」。
墓地での祭りが、共同体のリーダーを継承した高名な長老にささげられていた証拠もあったため、「この部族には中程度の政治的序列があった」と同教授は考え、次のように述べている。
「通常、祭りの主催者は長老の息子だった。親類縁者が祭りで先祖とのつながりと長老の息子の社会的地位を確かめ合っていたのだ。フェ族はこういった行為によって自分たちの領地も主張していた。紀元1000年ごろのブラジルやアルゼンチンの高地には、ほかの部族もいくつか移動してきていたので、丘の上や山の尾根に墓を建てて境界をはっきりさせ、共同体の領地を主張していたことは明らかだ」。
この研究は、ナショナル ジオグラフィック協会の研究・探検委員会の一部支援の下で行われた。
Photograph by Jose Iriarte









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