for National Geographic News
今週の発表によると、コンゴ民主共和国(旧ザイール)の野生生物当局と軍隊は、1000人以上の兵士とその家族をヴィルンガ国立公園の中心部から移動させることで合意した。同公園はアフリカで最も歴史があると同時に、人間の介入によりマウンテンゴリラが危機にさらされている場所だ。
ヴィルンガ国立公園は地球上で最も生物多様性の高い生態系の1つで、世界に残された700頭のマウンテンゴリラ(マウンテンゴリラの基本情報)のうち半分が生息しているが、今回の動きはその保護に取り組む活動家にとって希望の光となる。
コンゴ東部では10年以上にわたる内戦で500万人以上が死亡し、ヴィルンガ国立公園の密林では武装勢力による略奪が横行した。この合意はそうした厳しい情勢の中で実現したものだ。
新任の公園責任者であるエマニュエル・ド・メロード氏は、「ヴィルンガ国立公園の非武装化は依然として最も重要で最も難しい課題だ。コンゴ民主共和国軍は第一歩を踏み出した。ヴィルンガではこれまでになく緊張が高まっているが、この合意は大きな進展だ」と話す。この合意に基づき、公園中心部のルウィンディ・ポストから約6000人が退去した。
同公園の広報担当サマンサ・ニューポート氏は、「レンジャーの仕事は密猟や仕掛けられたわな、土地への侵入、木炭の取引などの監視であって、武装勢力との抗争を解決することではない。この合意で、レンジャーたちは本来の仕事に専念できるようになるだろう」と述べた。1月の和平協定に反し、ルウィンディの約100キロ南でコンゴ民主共和国軍とツチ族反政府勢力との間に戦闘が行われたのはつい先週のことだ。
国連コンゴ監視団のシルヴィ・ヴァン・デン・ウィルデンバーグ報道官は、「先週の戦闘は、停戦合意以降で最大の衝突であり、たいへん憂慮している。われわれは、人々を和平協定の軌道に戻すためにあらゆる努力をしている。この取り組みをやめてしまえば、内戦に戻る以外に道はないからだ」と話す。
ヴィルンガ南部のゴリラの生息地ではこれまでに激しい戦闘がたびたび起きてきたが、兵士も流入に加え、ゴリラの群れ同士が接近して緊張が高まっている。ヴィルンガでフランクフルト動物学協会の代表者を務めるロバート・ミューア氏は、「ゴリラの生息地のすぐ近くで政府軍と武装勢力の間に激しい砲撃や銃撃戦があれば、ゴリラの安全にとって直接的な脅威となる」と話す。
ほとんどのゴリラは戦闘地帯から逃げたが、人間同士の戦闘から逃れても、避難したゴリラの群れがほかのゴリラの群れの縄張りに入ってしまい、ゴリラ同士の衝突に発展することも多い。こうした衝突で重傷を負う可能性がある。
また、生息地に入る兵士の数が増えれば人間の病気にも感染しやすくなり、絶滅危惧種のゴリラが大量死する可能性も生じる。「ゴリラの生息地には(コンゴを拠点にツチ族の反政府勢力を率いる)ローラン・ンクンダ将軍配下の部隊が大勢おり、人数が増えたためにゴリラが病気に感染する可能性も高まった。ごく普通の風邪やインフルエンザでも、マウンテンゴリラにとっては致命的な影響を与えかねない。ゴリラを絶滅させる危険性さえあるのだ」とミューア氏は述べている。
Photograph by Brent Stirton/NGS









印刷用ページ
友人に教える
















