November 12, 2009
惑星を持つ太陽型恒星はリチウム量が少ないことが最新の研究でわかった。太陽系外惑星を探す新たな手段になるかもしれない。
恒星は主に水素とヘリウムでできている。質量のほんのわずかな割合を水素やヘリウムより重い元素が占め、天文学ではこういった重元素を金属と呼んでいる。太陽のように若く黄色い恒星は通常、老齢の赤い恒星より金属を多く含む。ただし、金属の組成は星によって異なる。天文学者たちはこれまで、同じ太陽型恒星でもリチウムの量が大きく異なる理由を説明できなかった。
最新の研究によると、その答えは惑星の存在にあるという。
研究を率いたガリク・イスラエリアン氏は、「恒星には惑星を持つものもあれば持たないものもあり、リチウムの存在量は見事にばらばらだ。ただし、惑星を持つ恒星に関しては例外なくリチウム量が少ない」と話す。同氏はスペイン領カナリア諸島のテネリフェ島にあるカナリア天体物理研究所(IAC)に所属する。
太陽は年齢や質量、金属量が同等の恒星に比べ、表層中のリチウム量がかなり少ない。この点が何十年も前から謎とされてきた。今回の研究でチームは太陽型恒星451個を分析した。そのうち70個は惑星を持つことが既に知られている。
数年に及ぶ分析の結果、惑星を持つ既知の恒星はどれもリチウム量が少ないことがわかった。一方、長年の詳細な調査でもいまだ周囲に惑星が見つかっていない恒星のリチウム量は、惑星を持つ恒星の10倍近かった。
惑星の存在がリチウム量を減らす正確な理由はまだわかっていない。一つの可能性として考えられるのは、恒星が誕生して間もなく、周囲を回る惑星や原始惑星系円盤の重力の影響で恒星の元素がかき混ぜられることだ。その結果、リチウムなどの物質が恒星の表面から高温の内部領域に移動し、燃え尽きるというわけである。
イスラエリアン氏はさらなる研究が必要としながらも、「恒星の表層に存在するリチウムの量が惑星の有無によって変化するという明確な証拠が得られた」と話す。
同氏は忠告によると、リチウム量が少ないからといって、その恒星の周囲に必ず惑星があるわけではない。惑星を探す際は、引き続き既存の手法を用いることになるようだ。「ただし、惑星を持つ恒星の候補が10あれば、リチウム量が特に少ないものを調べてみるといい」と同氏は助言する。
この研究結果は「Nature」誌11月12日号に掲載されている。
Picture courtesy ESO/L. Calcada