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23日に発表された研究結果によると、地球の磁気圏において太陽と反対側に“ろうと形”に形成される見えない暴風があるという。この“宇宙竜巻”は時速160万キロを超えるスピードで回転し、通常の落雷の約10倍にあたる10万アンペア以上の電流を内包している。しかも巨大で、長さは最大7万キロに達し、地球をすっぽり覆うほどの幅がある。
カリフォルニア大学の天体物理学者アンドレアス・キーリング氏が率いる研究チームは、衛星と地上からの測定結果から、宇宙竜巻がどのようにオーロラを発生させるかを解明した。オーロラは南極光、北極光とも呼ばれ、極地の夜空で燃えるような色彩を放つ。
今回の研究成果は、アメリカ航空宇宙局(NASA)のTHEMISミッション(サブストームの開始位置とその引き金となる過程の調査)の一環として行われた。THEMISでは、5つの観測衛星と地上にある20の観測所をつなぎ、太陽風(太陽から放出される荷電粒子)と地球の磁場の相互作用を調べている。
「地上の観測機器と観測衛星が連携して測定が行われたのは初めてであり、地球の磁場が太陽風にどう反応するかについて、これまでで最も詳細なイメージが得られるだろう」と、インペリアル・カレッジ・ロンドンの宇宙物理学者ティモシー・ホーベリー氏は言う。
前出のキーリング氏のチームは、電離した気体で構成される回転プラズマの巨大なサイズとスピードを明らかにし、地球でみられるオーロラを宇宙竜巻が発生させる仕組みまで突き止めた。「宇宙竜巻はオーロラを燃え立たせるようだ」と、キーリング氏は言う。同氏はオーストリアのウィーンで開催されていた欧州地球科学連合(EGU)の会合で研究成果を発表した。
太陽風の荷電粒子はまず、地球の昼側に雨のように降り注ぐ。次に地球の周りを流れ、太陽と逆の方向に地球の磁場を尾のように伸ばす。この伸びた部分は磁気圏尾部と呼ばれる。磁気圏尾部は、「ゴムバンドのようなもので、伸びたり、跳ね返ったりする。これが流れを大きく乱し、竜巻が形成される」とキーリング氏は説明した。
太陽や惑星の物理学を専門とするイギリスのレスター大学のスタンリー・カウリー氏は、「オーロラとこのような嵐の関係は約40年前から知られている」と指摘する。同氏は研究に参加していないが、今回の成果により、宇宙竜巻のサイズや形、速度、電流の大きさ、頻度について詳細な数値が初めて提出されたと述べている。
測定結果によると、宇宙竜巻は約3時間ごとに形成され、地球の電離層にわずか1分で到達する。電離層は大気の最も外側にあたり、地表からの高度100~400キロに位置する。宇宙竜巻の電子が電離層の粒子にぶつかると、エネルギーを放出し、分子を輝かせ、オーロラとなる。
地球の竜巻と異なり、宇宙竜巻は人間に直接的な危害をおよぼさない。ただし、「時々、変圧器をはじめとする地上の導電システムに大きな電流を発生させる」とキーリング氏は注意を促す。また、地球に近い宇宙空間では、GPSなどの衛星通信を妨害することもあるという。
Photograph by M. Scott Moon/AP; illustration courtesy A. Keiling et al/THEMIS/NASA

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