この10年間の平均温度が、観測史上最高であったことが最新の地球温暖化データから判明した。12月8日、国連専門機関の世界気象機関(WMO)が、デンマークのコペンハーゲンで開催中のCOP15で発表した。
WMOの速報値によると、2009年の年間平均温度が、系統的な観測記録が始まった1850年以降、5番目の高水準になることも明らかになった。12月の気候データを組み込んだ最終報告は2010年3月に発表される予定である。
WMOの事務局長ミシェル・ジャロー氏は次のように説明する。「今回のデータは、世界各地の地上観測所をはじめとして、船舶や海上ブイ、人工衛星を利用して収集された最新版であり、地球温暖化が減速したり逆転していないことを示している」。
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これまでも膨大な数の研究によって長期的な地球温暖化傾向が示されており、今回のデータもそれに沿っている。
ただし、11月以降、ある事件をきっかけに地球温暖化研究は批判にさらされている。今回の最新気候データにも一部関与しているイギリスのイーストアングリア大学のコンピューターがクラッキングされ、電子メールの内容が暴露されたことがきっかけだった。気象学者同士でやり取りされた個人的な電子メールの中に、地球温暖化傾向を演出するために統計上の“トリック”を使ったという話があったのだ。解釈によっては地球温暖化傾向に反するデータをもみ消したととれるような文面もあった。この事件はウォーターゲート事件になぞらえて「クライメイトゲート(Climategate)事件」と呼ばれている。
しかし前出のジャロー氏は、同大学で起きたこの事件に関する質問に次のように応じている。「最新の気候データは、米国海洋大気庁(NOAA)とNASAゴダード宇宙科学研究所(GISS)が個別に収集した2つのデータセットによって検証済みだ」。
12月8日にCOP15で発表された気候調査によると、地球全体の大気温度と海面温度を合わせて2009年の平均温度を計算すると、現時点で摂氏14.44度に達しているという。比較対象期間として1961~1990年の年間平均温度(14.00度)と比べると、今年は0.44度上回っている。
2009年は、寒冷だった北アメリカを除くと世界の大半の地域が平均温度を上回った。南アジアや中国、アフリカなど多くの地域で、観測史上最高の平均温度を記録している。「異常気象も多く、ヨーロッパの一部、インド、オーストラリアなどで空前の熱波が発生した」とジャロー氏は話す。
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8月には台湾史上最悪の死者数を出した台風8号が吹き荒れ、台湾上陸後に461人の命を奪った。また、アフリカ西部のブルキナファソで大規模な洪水が発生し、被災者は15万人に上った。
ジャロー氏は次の点に注意を促す。「温度傾向は時間がたつにつれて変化することがある。“温暖化”といっても温度がずっと右肩上がりで上昇し続けるわけではない。依然として寒い冬もあるだろうし、逆に冷夏も起こり得る。問題となるのは、広範囲で長期的な傾向だ。長期的な視点からみれば、低温の期間が減少し、熱波が襲う頻度が増加して強度も増すと考えられる」。
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Photograph by Luis Ascui, Getty Images









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