最新の研究によると、稲妻は嵐の強さがピークに達する時期を知らせてくれるという。近い将来、ハリケーン予報の改良につながるかもしれない。
人工衛星やレーダーを用いた現在の予報技術は、嵐の経路をかなり正確に予測できる。しかし、嵐の発達時間やどれだけ強大化するかは正確に突き止めるのは難しい。
また、稲妻を目安とした嵐の強さの予測は、ハリケーンを追跡する技術がない地域で特に役立つかもしれないと、専門家たちは口をそろえる。イスラエルのテルアビブ大学で稲妻について研究するコリン・プライス氏は、「稲妻と風速は密接に相関し、風速が最大に達する約30時間前に稲妻が最高潮になる。稲妻はハリケーンが発達する前触れだ」と説明する。
稲妻とハリケーンの強さの関係について調査が始められたきっかけは、1990年代に行われた研究だった。海水温が高いと垂直方向の対流、つまり熱の上方移動が大きくなるため、その上空で嵐の強度が増すと判明したのだ。「ハリケーンの内部で雷雨が対流することで、ハリケーンが発達して回転力を増すようだ」とプライス氏は言う。
プライス氏の研究チームは、2005~2007年に発生した56の大型ハリケーン(カテゴリー4と5)の風速に関するデータを収集した。次に、世界規模のセンサーネットワークから集めた世界の稲妻のデータと比較した。このネットワークは現在のところ、ごく一部の稲妻しか対象にしておらず、地域にも偏りがある。そのため、ハリケーン同士の比較分析はできなかった。
それでも、プライス氏らは95%以上の嵐で、稲妻が激しくなると風速が増すという関係を確認した。さらに、70%以上の嵐で、風速が最大に達する約30時間前に稲妻の活動が最高潮になった。こうした関係の物理的な仕組みを調べていけば、ハリケーンの予報の改良につながる可能性があると、プライス氏らは期待する。
「もちろん、ハリケーンはどうすることもできない。しかし、稲妻を追跡すれば、最悪の嵐が直撃する前に人々を避難させることはできる。ハリケーンがどれくらい発達するかも、これまで以上にわかるようになる」。
この研究結果は6日、「Nature Geoscience」誌のオンライン版で発表された。
Photograph by Joel Sartore/NGS

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