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人類がアフリカから旅立つことになったきっかけは、気候変動ではなく技術革新だったとする新しい研究が発表された。
初期のホモ・サピエンス(現生人類)の移動時期と、社会的発展や道具を作る技術の革新があった時期とが一致していることが明らかになったという。一方、アフリカの降雨量の変化といった気候の変動要因は、従来考えられていたほど人類の移動と密接に関連していなかったことが分かった。
研究チームのリーダーでオーストラリアにあるウーロンゴン大学のゼノビア・ジェーコブス氏は、「人類が大移動した時期は技術的な進歩がみられた時期に重なっている。技術の向上が移動を引き起こしたと推測できる」と語る。
われわれ現生人類は、およそ20万~15万年前にアフリカに居住していたと考えられている。近年の研究によると、79万年前には自然発生した火を利用していた可能性があるという。その後、約10万年前には自ら火を起こすようになり、6万年前には火起こしや道具の製作技術に加え、洗練されたコミュニケーション技術も発展していたようだ。これらの時期と、アフリカから人類が移動し始めた時期が重なっていることは、遺伝子学的な研究結果からも示唆されている。
同時期にはスティル・ベイ文化、ハウイソンズ・プールト文化という、道具の利用を伴った2大文化が生じており、ジェーコブス氏らのチームは南アフリカ共和国の9つの遺跡に遺されていた両文化の出土品を調査した。出土品には両面加工の尖頭器をはじめ、装飾的なモチーフや記号、貝殻のネックレスや個人の持ち物と思われる道具などがあったという。
さらに一連の遺跡自体の年代を測定した結果、1つの気候や環境にはとどまらないことが判明した。「地域的な環境変化が影響した可能性は残るが、気候と人類の移動の間に特別な相関関係は見られなかった」と同氏は述べている。
今回の研究では、急激な技術革新の波が突然訪れて、1000~5000年という比較的短期間のうちに姿を消していたとする説も裏付けられた。だが、こうした技術革新が急速に発展した理由や過程については依然として不明だという。
アリゾナ州立大学人類起源研究所の古人類学者カーティス・マレアン氏は、この点について次のように話している。「極めて短期間に技術が発展したのは非常に興味深いことだ。アフリカに暮らしていた初期の現生人類は、高度に洗練された効率的なデザインの道具を発明し、急速に広める力を持っていたらしい。同時期にはネアンデルタール人も存在し、現生人類の拡散に伴って姿を消しているが、その理由も道具の発明と伝播の力の差にあったのかもしれない」。
初期の人類がアフリカから拡散したときのルートについては、これまでナイル渓谷からシナイ半島経由で東地中海に出たとする北東ルートや、エチオピアから紅海に出た南東ルートが提唱されていた。これについても、新たにサハラ砂漠を北上するルートを示唆する研究が先週、発表されている。
この研究では、衛星データと化石土壌の地球科学的な分析に基づいて、太古の昔にサハラ砂漠のリビア付近から地中海に出る川の流れが存在した可能性が示された。かつてこの一帯が草原の広がるサバンナで、そこから中東に道が開けたと推測できるという。
Photograph courtesy Chris Henshilwood









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