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オーロラ内部の荷電粒子の観測から、巨大な大気波の実像が明らかになった。大気波とは大気中にできる波の総称で、地球上空でクラッシュする大気波は、人工衛星を危険にさらす可能性もある。
大きな運動量を持つ強風が、山などの地形、あるいは雷雨やハリケーンなどの大規模な大気擾乱(じょうらん)に衝突すると、その“爆発”によって見えない“衝撃波”が発生し、時速数百キロで全方向に広がっていく。その波動は数百キロ上空、大気圏の最上層(熱圏)まで到達し、海岸で砕ける波のように電離層と衝突することがある。
ただし、大気波は「波打ち際」で止まらない。微弱な波動が電離層内部に達し、その際に発生した熱による電気的な乱れが、人工衛星の動きと機能に影響を与える恐れがあるのだ。
巨大な大気波が観測されたのは今回が初めてではない。しかし、これほど正確なデータが得られた例はなく、波動が大気の上層部で確認されたこともなかった。
今回、画期的な観測結果が得られたのは、新モジュール式インコヒーレント散乱レーダー(AMISR:Advanced Modular Incoherent Scatter Radar)と呼ばれる新しいレーダーシステムのおかげだ。このシステムは最近アメリカのアラスカ州とカナダの北極付近に設置されたもので、これを使えば最前列でオーロラ(北極光)を観賞できる。
太陽から放出された荷電粒子が地球の磁場に衝突して極地に流れ込むと、大気との相互作用によって色の光が生じる。これがオーロラの揺らめきだ。オーロラの荷電粒子をAMISRで追跡すれば、目に見えない大気波の実像をつかむことができる。空気中を漂うほこりに光を当てることで、そよ風を“見る”ことができるのと同じだ。
「このレーダーによって波動の立体写真を撮ることができる」と、研究結果をまとめたマイケル・ニコルズ氏は説明する。同氏はカリフォルニア州にある非営利独立研究機関スタンフォード研究所(SRI International)で大気の研究をしている。
「その写真から波動が広がる方向を読み取り、エネルギーが蓄えられるプロセスや場所に関する情報を得ることもできる。このようにして宇宙天気に関する理解が深まれば、電力網などの地球上のシステムやGPSなどの衛星通信システムが受ける影響もわかるだろう」。
今回の研究結果は25日、カナダのトロントで開催されているアメリカ地球物理学連合会議(American Geophysical Union meeting)で発表された。
Photograph by Craig Heinselman

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