Brian Handwerk
for National Geographic News
December 31, 2008
2008年が協定世界時(UTC)の12月31日23時59分59秒に終わるときに、“閏(うるう)秒”が追加された。日本では時差があるため、2009年1月1日(木)の午前8時59分59秒と午前9時00分00秒の間に「8時59分60秒」が挿入された。
グローバルな現代社会は世界中の時刻が完璧に同期することをますます求めるようになっている。今回の時刻調整が、普段はあまり気にすることのない基本的なインフラに予測不可能な事態が生じるかもしれないと注目を集めている。
国際的な標準時刻であるUTCは、金属元素セシウムの原子の変動から算出される時間の尺度である。この原子時計はマイクロ波の光を毎秒約90億回作り出すことで時を刻むため、非常に高精度の時間測定が可能だ。UTCはフランスに本拠を置く国際度量衡局(BIPM)が管理している。BIPMは約50カ国の研究所からの資金で運営されており、国際的な合意に基づく平均値を算出している・・・
グローバルな現代社会は世界中の時刻が完璧に同期することをますます求めるようになっている。今回の時刻調整が、普段はあまり気にすることのない基本的なインフラに予測不可能な事態が生じるかもしれないと注目を集めている。
国際的な標準時刻であるUTCは、金属元素セシウムの原子の変動から算出される時間の尺度である。この原子時計はマイクロ波の光を毎秒約90億回作り出すことで時を刻むため、非常に高精度の時間測定が可能だ。UTCはフランスに本拠を置く国際度量衡局(BIPM)が管理している。BIPMは約50カ国の研究所からの資金で運営されており、国際的な合意に基づく平均値を算出している。UTCの午前零時は、経度0度にあるイギリスのグリニッジが午前零時を迎えるときに発生する(UTCは以前は「グリニッジ標準時」と呼ばれていた)。
時間は伝統的に地球の自転に基づいて決められてきた。これは天体の動きから1日の長さを定義するもので、自転に基づく時間は「UT1(世界時)」と呼ばれ1日は8万6400秒に分割される。しかし、現代はより正確な時間測定が求められるようになり、1972年にUTCを国際的な標準時刻として採用した。
2つの時間尺度は完全には同期しておらず差が発生する。潮汐の影響や地球の内部作用が原因となって、地球の自転は毎年少しずつ遅くなっているためだ。国際機関である国際地球回転事業(IERS)がこの差を観測し、2つの時間尺度を同期させるために閏秒の定期的な挿入を決定している。閏秒は1972年に初めてUTCに追加され、今年で24回目となる。原子時計と自転に基づく時間の差は小さく、1000年間にわずか1時間ほどだ。しかし、それは決して無視できる数値ではない。
閏秒を挿入すると時間管理上の問題が起きる。どの時計も余分な秒には対応できないからだ。その代わり、これまでは23時59分59秒で時計を1秒間止めて、その年の最後の秒を2度送信することで切り抜けてきた。だが、人々の生活はその間も止まることはない。
パリにある国際度量衡局のエリサ・フェリシタス・アリアス氏は、閏秒がさまざまな問題を引き起こすと言う。「たった1秒でも違いがあるなんて、ばかげた話だと思うでしょう。でも、株式市場や空港管制では1秒が命取りになることもあるし、衛星測位システムではごくわずかな相違も認められません」。
ナビゲーション・システムは、確認された衛星の位置から受信機まで信号が伝わる時間を測定し、それに基づいて動作しているため、ナノ秒(10億分の1秒)レベルの極めて高い精度が要求される。「光は10億分の1秒で約30センチ進む。航行の正確さを保つためには、10億分の1秒でも非常に重要になる」。ワシントンD.C.にあるアメリカ海軍天文台のデニス・マッカーシー氏はそのように話している。
Photograph courtesy of NIST/Jeremy Baer-Simon