磁場と電波を用いて生体内部の情報を画像化するMRIは、いずれ人の心まで読み取れるようになるのだろうか。
新しい研究によると、MRI装置の進化型であるfMRI(機能的核磁気共鳴画像法)という技術で脳の機能を画像化すると、人の考えが驚くほどの精度でわかるという。
実験は、まず2つの異なる模様を被験者に提示し、その後どちらか一方を心に思い描いてもらうという方式で行われた。そして11秒後にfMRIで脳をスキャンし、各被験者がどちらの模様を記憶に留めているか予測したのである。その結果は80%以上という驚くべき的中率だった。
fMRIの画像データから血流を測定することで、活性化しているニューロンのグループを特定できる。アメリカのテネシー州ナッシュビルにあるヴァンダービルト大学の教授であり、今回の研究を主導した神経科学者のフランク・トング氏によると、視覚野には縦方向の模様と関連が強いニューロンと、横方向あるいは斜めの模様と関連しているニューロンがあるという。
被験者の思い浮かべる模様を予測できたのは、ニューロンにこのような機能の違いがあるためである。「脳の視覚にかかわる部分は、能動的な記憶にも関与していることが判明した。これは今回初めて確認されたことだ。おそらく、視覚野の非常にかすかなレベルの活動によって、直前まで視覚に存在した情報が保持されているのだろう」とトング氏は言う。
同氏の研究は2月18日付の「Nature」誌オンライン版に掲載された。
ニューヨーク大学医学部で放射線医学を研究しているヘンリー・ルシーネック氏によると、一次視覚野(V1)は脳のほかの領域とは独立して複雑な機能を果たしていると考えられているという。例えば、意識の集中などだ。一次視覚野は目から視覚信号を受け取り、その信号を高次の視覚領域へと送り出すという役割を持つ。
ルシーネック氏はこの研究について、「V1を中心とするネットワーク、つまり目から離れた位置にある少数のニューロンに短期的な記憶力があることを示す説得力のある証拠だ」と賞賛している。
Image courtesy Frank Tong

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