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太陽活動の活発化の遅れが天文学者たちを困惑させているが、もしかしたらその原因は太陽内部を流れる帯状流(地球のジェット気流のようなもの)の勢いの弱さにあるのかもしれない。
“帯状流”は厳密には“ねじれ振動”(内部回転)を有するプラズマ電流のことだが、アメリカ国立太陽天文台(NSO)のフランク・ヒル氏率いる研究チームによると、現在、太陽内部のこのプラズマの流れが通常より緩慢になっているという。
帯状流は太陽の両極付近で11年ごとに発生して東から西へと流れ、17年という長い時間をかけて少しずつ赤道に近づいていく。そしてこのプラズマの流れがある特定の緯度に達すると、太陽の表面に新しい黒点が現れ始める。黒点とは比較的低温で暗く見える太陽表面の点のことであり、その領域で磁場が乱れていることの証ともなる。
フランク・ヒル氏は、「現在の太陽周期における帯状流は通常より動きが鈍い」と指摘する。同氏の研究チームは、太陽振動全地球観測網グループ(GONG)や太陽観測機SOHOなどから得られた新しいデータを基に、現在の帯状流の移動速度を調べた。すると、緯度10度分に相当する距離を移動するのに通常より1年も余計にかかっていたことが判明した。
また、その最新のデータを見たところ、帯状流は既に黒点が生成される緯度に到達していることも確認された。太陽活動が最近ようやく活発化の兆しを見せ始めたことも、もしかしたらこれが要因なのかもしれない。
「帯状流の弱さが太陽活動を停滞させていたのか、あるいは停滞の結果として帯状流が弱くなっただけなのか。今のところ確かなことは言えないが、太陽活動の停滞が確認される数年前の時点で、帯状流の弱さは確認されていた。そう考えると、やはり停滞の結果ではなく“原因”なのではないだろうか」とヒル氏は解説する。
アメリカにあるスタンフォード大学の天体物理学者でSOHOのプロジェクトにも参加しているジャスパー・ショウ氏は次のようにコメントする。「帯状流の緩慢な動きは以前のデータにも現れていた。後の祭りかもしれないが、そのデータにしっかりと注目していれば、今回の太陽活動の停滞は事前に予測できていたかもしれない」。
GONGとSOHOで使われている太陽内部の観測機器は現時点で最高の性能を備えているが、両方とも観測が始まってからまだ14年しか経っておらず、科学者たちがそのデータに全幅の信頼を寄せるにはいささか物足りない。その一方で黒点は、太陽活動を測定する尺度として数百年前から観測が続けられている。
しかしショウ氏はこう指摘する。「データの矛盾をむやみに指摘する前に、ある程度は検討してみることも重要だ。後になってから“わかりきったことだ”なんて言うのは誰にでもできるからね」。
今回の研究成果は先週、コロラド州ボルダーで開催されたアメリカ天文学会・太陽物理分科会の会合で発表された。
Image courtesy AAS

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