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アリゲーター科の最大種、アメリカアリゲーターのメスは意外と誠実で、毎年の繁殖期には高い確率で「元の鞘(さや)に戻る」という。この研究では、ルイジアナ州のロックフェラー野生保護区(Rockefeller Wildlife Refuge)に生息する野生のアリゲーター10匹が調査対象となった。1995年から2005年までに繁殖期を迎えたメスの行動が追跡したところ、7匹は毎年同じ相手と交尾していたことが確認されたのである。
「ほかの爬虫類のメスと同様、アリゲーターのメスも複数のオスとペアを組むのが普通だ」と、ジョージア州にあるサバンナリバー生態学研究所(SREL)の職員で、研究チームのリーダーを務めたステイシー・ランス氏は解説する。
しかし毎年ある時期になると、メスは特定のオスを積極的に追い求めるようになるという。「ロックフェラー野生保護区には非常に多くのアリゲーターが生息している。その中で毎年同じカップルが成立していたのだから驚いた。しかし交尾が終われば、オスはすぐさまお払い箱になる」と同氏は話す。
10年間の調査期間で、ランス氏らの研究チームは92の卵塊(らんかい:1度に孵化させる卵の集合)から卵を採取し、1802匹を研究室で孵化させた。ランス氏は、「卵から顔を出しそうになったら殻をむいて助けてあげるんだ。赤ちゃんは本当にかわいい」と語る。
調査対象のメスのアリゲーター10匹が捕獲され、血液サンプルも採取された。研究室で孵化した幼生との遺伝子比較が目的である。オスは捕獲されなかったが、母子の遺伝子を調査すれば父親の遺伝子情報もわかる。
調査の結果、92の卵塊の平均51%は複数の父親を持つことがわかった。しかしそのような卵塊の中でも87%は、半数以上の幼生が特定のオスの血をひいていることが判明し、主たる父親の存在が明らかになったのである。
ランス氏は次のように解説する。「メスのアリゲーターが特定のオスを選ぶ正確な理由はわからないが、生まれてくる子どもの健康を考えてのことかもしれない。1度、繁殖に成功したのなら、そのオスと手を切る理由はない」。
研究チームによると、この習性は鳥にもみられるという。ランス氏は次のように話す。「アリゲーター同様、鳥のメスも特定のオスとペアを組む。こっそり“浮気”もするが。鳥が本当に恐竜の子孫であり、多くの性質を受け継いでいるとしたら、このような習性は太古の昔から存在していたのかもしれない。こと男女間の関係となると、見た目の印象と実際とは異なる場合が多いということだ」。
今回の研究は、10月7日発行の「Molecular Ecology」誌に掲載されている。
Photograph by Chris Johns, NGS









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