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NASAとコロラド州ボルダーにあるアメリカ国立雪氷データセンター(NSIDC)が発表した最新の調査報告によると、北極の氷は今季(2008~2009年)の冬も変わらず減少傾向にあるようだ。特に深刻なのは、長期間にわたって成長を続けてきた頑丈な氷の消失が進んでいることである。新しい氷も生まれてはいるが、薄く溶けやすいのだという。
今季、北極海氷の最大面積は1515万平方キロで、1979年~2000年の平均値をおよそ72万平方キロも下回った。「テキサス州と同じ広さの氷が失われたことになる。かつて、北極海氷の冬季の最大面積はアメリカ本土48州の2倍近くもあったのに」と、NSDICのウォルター・マイヤー氏は話す。
今季の最大面積は最小記録を更新せずに済んだが、依然深刻な状況であることに変わりはない。ここ6年(2004~2009年)に期間を広げてみると、北極海氷の冬季の最大面積は1979年に人工衛星による観測が始まって以来の最低水準にある。
海氷は形成後の年月に比例して、厚みと硬さが増し、より溶けにくくなる。今回発表された調査報告によると、形成後1年以上経過した氷の量は、今季末の時点で過去最低を記録した。また、形成後2年以上経過した氷はかつて冬季の北極海氷全体の30~40%に相当し、つい2年前でも25%を占めていた。だが、昨季の調査では最大時期でもわずか14%となり、今季はさらに10%にまで落ち込んだ。
ただし今回の調査では、明るい兆しも得ることができた。今冬は、前季(2007~2008年)の冬に形成されて以降、1年を通じて溶けずに残っていた氷の量が、過去数年間で最も多かった。だが、形成後間もない氷が来夏も溶けることなく残るとしても、それが長期間かけて成長してきた氷の消失分を補うだけの量に達するかどうかは疑問だとマイヤー氏は語る。
また同氏は、「たかが数年程度では、新たに形成された氷が北極海氷の消失分を補うことはできない。現在、北極海氷は過去最悪の状況にある。1980年代の水準にまで回復するには、長い年月がかかるだろう」と話す。
北極の氷がすべて溶けて水になったとすると、その量はミシガン湖とスペリオル湖の水を合わせた量(約1万7千立方キロ)に匹敵するが、氷の大部分は海面下にあるため、それが溶けたとしてもすぐに海面が上昇するわけではない。だが、氷に覆われた環境に適応してきた北極圏の動植物は、氷が消滅すると深刻な打撃を被ることになる。もちろん人間も例外ではない。
北極の氷が大量に溶解すれば、地球温暖化がますます加速することにもなる。北極の氷には、夏の強い太陽光を大気圏外に跳ね返す働きがある。だが氷が溶けて海面が露出すると、太陽光は反射されず熱が海に吸収される。そうなれば、地球上の風や海水の循環システムに想定外の影響が出る恐れもある。
今回の調査報告については、驚くに当たらないという意見もある。コロラド州ボルダーにあるアメリカ国立大気研究センター(NCAR)のシェルドン・ドローボット氏は次のように指摘する。「近年、北極海氷には毎年記録的な変化が見られるが、これは現在がそのような時期に当たるというだけで、長期的に見れば異常事態とは言えないのではないか」。その一方で、「近年のような状況は、何百年あるいは何千年さかのぼってみてもまったく前例がない」という意見もある。
今回の調査では、北極海氷に関するデータとコンピューターによるモデリングを基に将来の予測も行われた。それによると、30年後にはほとんどの氷が夏季の北極から姿を消すという。
Illustration courtesy NASA Goddard's Scientific Visualization Studio









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