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米国海洋大気庁(NOAA)が2010年7月28日に発表した年次報告書『気候の状態(State of the Climate)』の最新版によると、10の気候指標を詳細に分析した結果、すべてが過去30年間に著しい温暖化か起きたことを示し、特に直近の10年間は観測史上最も気温が高かったという。気候変動に関する信頼性のあるデータの記録は1880年代から始まっている。
この報告書は、気候変動の長期的な進行に関する最新のデータに基づき、2009年に計測された気候変動を中心に記述している。例えば、過去数十年間に世界各地の7000カ所以上の測候所で観測された地表気温のデータから、気温が「上昇傾向にあることは間違いない」ことが確認されたとしている。
また今回の報告書では、海水温や海氷量といった気候指標のデータが初めて1カ所にまとめられた。そのすべてが同じ傾向を示すことは「読者にも一目瞭然だ」と、報告書の共著者でNOAA国立気候データセンターのデレク・アーント氏は話す。
300人の研究者が37の気候指標のデータを分析したが、最終的には、報告書が特に重要度が高いとする、湿度、海面温度、海氷量、積雪量、海洋貯熱量、氷河量、下層大気温、海水位、地表面温度、海表面温度の10の指標に絞り込まれた。
気温が上昇傾向にある場合に予測される通り、海洋貯熱量や地表面および海表面の温度などいくつかの指標の数値が上昇している。海氷量や積雪量といった他の指標の数値は下降している。
温室効果ガスの大気中への放出は、海洋への影響も特に大きかったとNOAAの報告書は指摘する。最新のデータから、過去50年間に温室効果ガスに閉じ込められた熱の90%以上が海に吸収されたことが示されている。
水は温度が上がると膨張するため、海に熱が加えられることなどが原因で海水位が上昇しているだけでなく、夏に北極の海氷が溶けるスピードも速まっている。2007年には北極の氷の量が観測史上最少となったが、2010年はその記録を上回るかもしれない。
NOAAの報告書は気候に関するほかの出版物とは性格が異なる。その理由は、コンピュータモデルではなく観測データに基づいているため、年間の気候システムの “スコアカード”と言えるからだと報告書は記す。
「つまり、想像の世界ではなく現実世界で何が起きているかを示している」と、コロラド州ボルダーに拠点を置くアメリカ大気研究センター(NCAR)の上席研究員ケビン・トレンバース氏は話す。ただし、この報告書には「IPCC(気候変動に関する政府間パネル)ほどの権威はない」という。
その理由の1つは、IPCCの報告書はNOAAよりも発表の間隔が長く、長期間かけて検討が重ねられることだ。IPCCの最新の報告書は2007年に発表され、NOAAと同じく温暖化は「明白だ」としている。
また、実際のデータを用いてはいても、「地球温暖化に関する理論はまだ不完全だ」とトレンバース氏は注意を促す。大気の動きが複雑であることがその大きな理由だという。「例えば、驚くほど様々な雲が窓の外に広がるのを一目見れば、それは明らかだ」。
NOAAの報告書は「Bulletin of the American Meteorological Society」誌2010年6月号に掲載されている。
Photograph by Maria Stenzel, National Geographic









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