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初期の恐竜に最も近い爬虫類シレサウルス類の新種の化石がタンザニアで見つかった。同類の化石では最古のもので、恐竜の起源が従来の説よりも1000万年早まる可能性がある。
アジリサウルス・コングウェ(Asilisaurus kongwe)と名付けられたこの新種は大型犬ほどの大きさで、三畳紀中期の2億4300万年前頃に生息していた。
シレサウルス類と恐竜は共通の祖先から分岐したため、同時期に存在していたと考えられている。だが、これまで確認された最古の恐竜の年代は2億3000万年前(三
研究の責任者でアメリカ、ワシントン州シアトルにあるバーク自然史&文化博物館の古脊椎動物学者クリスチャン・シドール氏は、「1000万年古いシレサウルス類が発見されたとなると、話は大きく違ってくる」と話す。
アジリサウルスの化石の年代は、初期の恐竜も三
メリーランド大学の古脊椎動物学者トーマス・R・ホルツ・Jr.氏は今回の研究に関与していないが、「恐竜と聞いて思い浮かべるのは、ステゴサウルスやティラノサウルス・レックスなど独自の進化を遂げた極端な形態だろう。だが、それらはみな共通の祖先から進化した。アジリサウルスのような仲間の化石を調べれば、恐竜の起源の解明に役立つ」と話す。
アジリサウルスの少なくとも12頭分の骨格は、2007年にタンザニア南部のルフフバレー(Ruhuhu Valley)の地層で発見された。全身がそろった標本はなかったため、シドール氏のチームは複数の骨格をつなぎ合わせなければならなかった。
完成した骨格は想像とは異なるものだったという。「小さな下あごに刃のように鋭い歯が並ぶ典型的な肉食動物の姿とは異なり、体の造りは軽く、すらりとした手足で、くちばし状のあごには釘のような細い歯が並んでいた」とホルツ氏は解説する。くちばしの形からアジリサウルスは植物組織を引き裂いて食べていたことがわかった。草食か雑食と考えられる。
不思議なのは、初期の恐竜の大部分が2足歩行で肉食だったにもかかわらず、アジリサウルスは長い尾を持ち4足歩行をしていた点だ。「恐竜の系統に非常に近いけれども、草食の四肢動物らしい。この時代の恐竜の起源の実態がやや不透明になった」と研究責任者のシドール氏は言う。同氏はこの研究でナショナル ジオグラフィック協会の研究・探検委員会(CRE)から助成金を受けている。
「アジリサウルスが発見されて、これまでの予測が見事に的中したことになる」と、アイオワ大学の古脊椎動物学者クリストファー・ブロシュ氏は話す。同氏もこの研究には参加していない。
恐竜は主竜類に属しているとされる。このグループの中で、恐竜の祖先は2つの主要系統に分岐した。シレサウルス類など現生鳥類の骨格と同じ特徴を持つ系統と、ワニ類との共通点が多い系統だ。
三
「だが、今回の発見は予測を超えたものだ。初期の主竜類は従来の考えよりもはるかに多様性があるという新たな認識につながる」とブロシュ氏は話す。
シドール氏のチームは既に、ルフフバレーでアジリサウルス以外にも主竜類の複数の種の化石を収集した。主竜類の化石が出土する他の地域よりもかなり種類が多いようだ。
緑豊かで湿潤だった先史時代のタンザニアの谷で恐竜の近縁種がこれほど多く出土する理由は不明だという。
「どのような理由にしろ、ルフフバレーでの発掘から過渡期の恐竜の世界が浮かび上がる。生命の歴史の中でも特に興味深い時代だ」とブロシュ氏は述べている。
この研究は「Nature」誌に3月4日付けで掲載されている。
Illustration courtesy Marlene Hill Donnelly, Field Museum









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