南米コロンビアで新種の古代ワニの化石が発見された。このワニは史上最大のヘビのエサだった可能性が高いという。
ただし、古代ワニと大ヘビの死闘を想像する向きには少々期待はずれかもしれない。発見されたワニの祖先種「セレホニスクス・インプロセルス(Cerrejonisuchus improcerus)」は体長約2メートルで、14メートル近くの巨大ヘビ「ティタノボア・セレホネンシス(Titanoboa cerrejonensis)」にはまったく歯が立たなかったと考えられる。
「力の差は歴然としていた」と、研究チームを率いたアレックス・ヘイスティングス氏は話す。フロリダ大学の大学院に在籍する同氏は、同大学敷地内にあるフロリダ自然史博物館で古脊椎動物を研究している。
「クロコダイル型類(Crocodyliform)の新種であるセレホニスクスはワニ目に属するが、最大クラスの個体でも最小クラスのティタノボアに難なく飲み込まれてしまったようだ」。ワニ目にはクロコダイル、アリゲーター、カイマン、ガビアルなども含まれる。
セレホニスクスとティタノボアの化石は、コロンビア北東部の露天掘りの炭鉱で隣り合って埋まっているところを発見された。同地の調査は2004年から2007年まで行われ、ヘイスティングス氏は化石発掘現場として非常に高く評価している。
2種の爬虫類は6000万年前の南アメリカに生息していた。同大陸に現在のような熱帯雨林が広がり始めた時期に当たるという。「この調査で、現在につながる生態系の最初期の様子を初めて垣間見ることができた」と同氏は話す。
現在の子孫種の生態から判断すると、隣り合って発見されたヘビとクロコダイル型類は敵対関係にあったと示唆しているという。例えばアマゾンには世界最大のヘビ、オオアナコンダが現生しているが、同種を含むアナコンダは、カイマンなどのワニの仲間をしばしば捕食することが知られている。
「ティタノボアもアナコンダと同様に水際で待ち伏せし、上陸してきた無防備なセレホニスクスの不意を衝いて体を巻き付け、窒息するまで締め付けていたのではないだろうか。小型のセレホニスクスにとっては気の毒な話だ」とヘイスティングス氏は説明する。
しかしセレホニスクスもやられてばかりではなかった。ワニの仲間らしく捕食動物としての側面も持ち合わせており、小型のヘビやカエル、トカゲ、一部の哺乳類などをエサにしていたとみられる。クロコダイルの近縁にあたり、ディロサウルス科最小でもあるこのワニは、他種に比べて著しく鼻先が短かった。大型のクロコダイル型類が見向きもしない小動物を捕獲するために適応変化したと考えられる。
「今回の研究では、当時最大の陸生生物だったヘビ、ティタノボアの計り知れないパワーも再確認された。この巨大ヘビについても実際の生態が明らかになりつつある」とヘイスティングス氏は話している。
この研究は1月28日発行の「Journal of Vertebrate Paleontology」誌に掲載されている。
Photograph courtesy Jeff Gage, University of Florida









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