November 26, 2009
バナナの世界では、“死の天使”の光輪は青いようだ。熟したバナナに紫外線を照射すると、茶色い斑点の周囲が不気味に青く光る。最新の研究成果によると、これは皮の細胞が死滅する兆候だという。
光の正体は蛍光クロロフィル代謝産物(FCC)と呼ばれる物質で、あらかじめプログラムされた細胞死、つまりクロロフィルが植物老化の真っただ中で分解されて生成される。
植物が老化すると、果実は成熟し、木の葉は色を変える。人間の場合、あらかじめプログラムされた細胞死は加齢に伴うさまざまな退行性疾患と結び付く。バナナに紫外線を当てて観察すれば、細胞が死んでいく経過を分子レベルで追跡できる。植物の一生をよりよく理解する第一歩になるはずだ。
「細胞が死に至る重要な変化を調べるまったく新しい方法だ」と、研究に参加したベンハルト・クロイトラー氏は話す。同氏はオーストリアのインスブルック大学で有機化学の教授を務める。
また、この研究方法なら果物を無駄にしないという。「バナナを傷つけないでこの現象を評価し、研究する。その後は胃袋に収めればいい」。
この研究成果は、「Proceedings of the National Academy of Sciences」誌オンライン版に9月8日付で掲載されている。
Picture courtesy Bernhard Krautler