October 15, 2009
伝説の角のあるウサギ“ジャッカロープ”と同じくらいあり得ないことにも思えるが、古生物学者の発表によれば、新たに発見された一見“寄せ集め”の新種の翼竜は実在したようだ。
研究の共著者でイギリスにあるレスター大学のデイビッド・アンウィン氏によると、同大学の研究チームが今年初めにこの空飛ぶ爬虫類の化石の写真を見たとき、「最初に思ったのは、偽物だろうということだった」。
なぜなら、1億6000万年前のものとされるこの翼竜は、その子孫と同じ大きな頭部を持ちながら、体の残りの部分は非常に長い尾も含め、それ以前の時代の様々な肉食翼竜の形質を継ぎ合わせたような姿だったからである。
しかし研究チームは、中国北東部の古代の湖底から出土した20体以上の骨の化石を分析した結果、カラスほどの大きさのこの翼竜が実在していたことを確信したという。
中国で発見された化石には鋭い歯と長い顎があり、地上での動きは鈍かったと推測されることから、この肉食翼竜は現在のタカのように狩りをしていたのだろうとアンウィン氏は話している。上の想像図に描かれているように、滑空する哺乳類や羽毛恐竜などの小動物が飛び立ったばかりのところを狙っていた可能性が高いという。
アンウィン氏の研究チームはこの新種の翼竜をダルウィノプテルス(Darwinopterus)と名付けた。「ダーウィンの翼」を意味し、チャールズ・ダーウィンの著書『種の起源』の出版150周年を記念したものだ。「もしダーウィンが生きていたら、自分にちなんだ名前が翼竜に付けられて喜んでくれると思う」とアンウィン氏は話す。
約2億5000万~6500万年前の中生代、翼竜は空を支配していた。初期には小型だった翼竜は、後期には巨大化し、また初期と違って地上を歩くことができた。ただし、初期から後期へ至る中間の進化過程はわかっておらず空白になっていたのである。
「この新種の翼竜は大発見だ。その進化の空白を埋めることができるのだから」とアンウィン氏は言う。
メリーランド大学カレッジパーク校の古生物学者で脊椎動物が専門のトーマス・ホルツ氏は、「ダルウィノプテルスの存在は素晴らしい。翼竜の進化における2つの段階の間を橋渡ししてくれるものだ」と話している。
ホルツ氏はこの研究に参加していないが、翼竜は現代の鳥類と同じくらい様々な種類があり、生態系においても同じくらい重要な存在だったと語る。「もし私たちが中生代に生きていたとしたら、現代の鳥類学者と同じように翼竜の専門家がたくさんいたことだろう」。
今回の研究は2009年10月13日発行の「Proceedings of the Royal Society B」誌に掲載されている。
Photograph courtesy Mark Witton, University of Portsmouth