September 23, 2009
2009年9月22日、アメリカ、カリフォルニア州で見つかったギンザメの新種、“Eastern Pacific black ghostshark”(学名:Hydrolagus melanophasma)。新種と特定されたこのギンザメは、太陽の当たらない場所を好む。また、オスは額(ひたい)にこん棒のような性器官があり、容貌はハンサムとは言いがたい。
写真上は生息域で泳ぐ姿、下は博物館に保管された標本。新しい研究によれば、カリフォルニア州やメキシコのバハカリフォルニア半島沖の数百メートル以下の暗い海の中を、羽根のようなヒレを使って飛ぶように泳ぐという。
このギンザメはこれまで、調査用のレーダーにもとらえられていたようだ。1960年代以降、専門家も体長90センチほどのこの変わった魚を見かけていたが、世界中の博物館の収蔵品の中にも名前が見当たらなかった。
「新種であることがわかったのは、最近になって研究チームが薬品漬けになって保存されていた魚の棚を調べたときのことだ」と、研究の共著者でカリフォルニアのオークランド博物館主任学芸員であるダグラス・ロング氏は話す。この魚の身体を正確に計測したところ、その独特な比率からギンザメの個別の種であると考えるにいたったという。
このギンザメの仲間は、謎が多くほとんど研究が行われていないが、おそらく現生の魚では最も古いグループに属するという。
「この“生きた化石”は、およそ4億年前にサメから分岐した。極端な深海環境に適応することで生き残ってきたのだろう」とロング氏は言う。
「Zootaxa」誌の9月号で発表された今回の研究によると、新発見のギンザメは、種の数が近年激増しているアカギンザメ属の仲間であることがわかった。種の特定技術が向上したおかげだという。
ロング氏はこう話す。「ギンザメには他の現生動物には見られない身体的な特徴がある。たとえばオスには、額から生えた可倒式の性器官がある。この器官は、先にトゲがついたこん棒に似ており、まだ仮定の段階だが、メスを刺激するか、近くに引き寄せるために使われているようだ」。
「この風変わりな魚は、深い海の複雑さを物語っている。今後われわれが不思議な新しい生物に出会う可能性も大きいだろう。クリスマスみたいなものだ。具体的になにが得られるかはわからなくても、なにか素敵なことが起こり得ることはわかる」
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Ghostshark photographs courtesy MBARI (top) and by Kelsey James (bottom)