July 13, 2009
“ステファンの五つ子”として知られる銀河群をとらえたNASAのチャンドラX線観測衛星の観測画像が新しく公開された。銀河群の中心部を通り抜けるように青色のガス雲が細長く伸びているのがはっきりとわかる。
1877年に発見された“ステファンの五つ子”は、実は“四つ子”だ。チャンドラの観測結果にカナダ・フランス・ハワイ望遠鏡の可視光画像を重ね合わせたこの画像でも5つの銀河が確認できるが(中央に2つの銀河が並んでいる)、地球からおよそ2億8000万光年離れた場所に寄り添って集まっている銀河は4つだけである。
左下のひときわ大きな青紫色の渦巻銀河だけは、地球から3500万光年と“四つ子”のはるか手前にあるためだ。
今回チャンドラのX線撮影能力により明らかになった細長い青色のガスの塊は、中央付近の銀河が残りの銀河の間をかき分けて通り抜けるときに生まれる衝撃波の影響によるとみられている。通り抜けるときのスピードは時速約320万キロだという。
今回チャンドラがもたらした最新画像のような詳細な画像データに基づいてこの銀河群の研究が進めば、銀河の進化に関する理解が深まると期待されている。
なぜなら、この“四つ子”は現在進行中の衝突銀河群であり、爆発的な星の誕生や、融合を通じた銀河の成長、形状の変更など、さまざまな銀河レベルの変動を観測するのに有用なためだ。
例えば、衝突中の“四つ子”の重力に引っ張られて、それぞれの銀河は星形成を促す低温ガスが奪われていく。そのため、銀河群内で渦状腕を持つ渦巻銀河は数十億年後には楕円銀河に変貌すると考えられている。
X-ray image courtesy NASA/CXC/CfA/E. O(Sullivan; optical image courtesy Canada-France-Hawaii Telescope/Coelum