May 28, 2009
近傍銀河のちりのベールの背後に潜んでいた超新星が新たに発見された。過去5年間で最も地球から近い距離で起こった星の最後を飾る大爆発現象だ。ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた左の可視光画像は、超新星爆発が起きた銀河M82。地球からわずか1200万光年しか離れていない。多量の超新星爆発が、M82の中心部を吹き飛ばしそうに見える。
M82の中心部は爆発で発生したちりとガスの厚い層に包まれており、可視光でとらえることは難しい。しかし、過去の電波観測により超新星爆発の残骸が既に数多く確認されていたので、新たな超新星の出現は時間の問題だと考えられていた。
そして4月8日、天文観測の国際チームは電波望遠鏡のデータから、生まれたての超新星をとらえることに成功する(右下隅の拡大写真)。
「2008年3月から5月までの観測データ(中央の拡大写真)を調べたところ、超新星は銀河の中でひときわ強い輝きを放っていた」と、ドイツにあるマックス・プランク電波天文学研究所の研究チームの一員であるアンドレアス・ブルントハーラー氏は語った。
観測チームは複数の望遠鏡データを合成し、今回の爆発の残骸がリング状に弾き飛ばされ時速4000万キロ以上の速度で拡張していることを発見した。逆算すると、超新星が生まれたのは2008年1月末から2月初めと推定される。
「地球から近距離だったので、取り巻くちりや破片の層が厚くなければ一般の地上望遠鏡でも爆発の明るい輝きを観測できたと思う。電波望遠鏡がそのベールを取り払ってくれた」と、同チームのメンバーでもあるオランダのラッドバウド大学のハイノ・ファルケ氏は述べた。
この発見は今週の「Astronomy Astrophysics」誌に掲載されている。
Graphics courtesy Milde Science Communication; HST image courtesy NASA, ESA, and The Hubble Heritage Team (STScI/AURA); radio images courtesy A. Brunthaler, MPIfR