March 10, 2009
探検家兼環境活動家でイギリスの名士の一人、デイビッド・デ・ロスチャイルド氏が、いよいよペットボトル製のボートで太平洋横断の旅に出る。出航予定日は3月末で、その航海はおよそ1万8000キロに及ぶ。
デ・ロスチャイルド氏が舵を握るのは、リサイクル済みプラスチックの特殊加工素材で作られた全長18メートルの双胴船だ。名前は「プラスティキ号(Plastiki)」という。
船体のフレーム構造に使用済み2リットルペットボトル1万2000本を採用し浮力を稼ぐ。アメリカのサンフランシスコを出発し、いくつかの島を経由しながらオーストラリアのシドニーを目指す。海洋汚染として大きな問題となっているプラスチックゴミを調査することが第一の目的という。
さらにデ・ロスチャイルド氏によると、「今回の航海は、物をいかにして再利用できるか、その点に注目を集める意味も併せ持っている」。同氏は、ナショナル ジオグラフィック協会のエマージング探検家であり、非営利団体アドベンチャーエコロジーの創設者でもある。
デ・ロスチャイルド氏は、「解決法をはっきりと示すデモンストレーションとなる。私たちが今回提示する特殊加工素材は、いろいろな分野に好影響をもたらすだろう」と語る。例えば、リサイクル済みプラスチックを商用船やサーフボード、車などに利用できる可能性があるという。
アドベンチャーエコロジーの調査によると、アメリカでは毎年700万トンのプラスチックが生産されるが、リサイクルに回るのは50万トンにすぎないという。再利用されずに廃棄されたペットボトルは、その多くが海に漂うことになる。太平洋側に流れ出たプラスチックゴミは海流に導かれて特定海域に集まる。これが「太平洋ゴミベルト」と呼ばれるもので、東側部分だけでテキサス州の2倍の面積がある。
航海を終えたプラスティキ号は解体され、緊急避難シェルターや運搬用のプラスチックパレット、衣服、さらには再びペットボトルとして利用されることになっている。
設計者で航海のコンサルタントを務めたナサニエル・コルム氏は、「ペットボトルに象徴される都市型生活の拡大に伴い、廃棄物の対処方法を創意工夫する必要性が高まっている」と話す。
(今回の航海に関するビデオ)
Illustration courtesy Adventure Ecology