Victoria Jaggard
for National Geographic News
January 8, 2009
天の川銀河(銀河系)の中心部をすべて収めた赤外線パノラマ画像が初めて作成された。この画像により、天の川の銀河核周辺が非常に荒れた領域であり、これまで発見されたことのない大質量星がその領域に点在していることが判明した。
ハッブルとスピッツァーの2つの宇宙望遠鏡の観測データを合成して作成されたパノラマ画像は、横300光年・縦115光年の領域をカバーしている。その領域は地球から2万6000光年離れているにもかかわらず、太陽系の20倍ほどの大きさしかない観測対象でも判別できるほど十分高い解像度を備えている。
画像内の観測対象にはおよそ2600万個の恒星が存在しており、そのうち300個は、せいぜい数百万年以内に生まれた比較的若い大質量星であることが識別可能だ。また、その大質量星の内200個は単独星で、これまでに3つ存在が確認されている星形成領域の外部に位置している。恒星は2つ以上の連星が多くを占めることからも、これは予想外のことであった。
研究チームのリーダーでアメリカのマサチューセッツ大学のQ・ダニエル・ワン氏は、「今回確認された星は孤立して存在している。もともと単独で生まれた可能性もあるし、非常に大きな質量を持つ星団から最近分離した可能性もある」と話す。
また、最新画像は、銀河核内部の不思議な構造について今までにないほど鮮やかに伝えている。例えば、大きな星団から流出する風によって手の指のように形作られたふわふわと漂うガス体(左下)や、天の川銀河の中心にある超大質量ブラックホールに向かって螺旋状に流れ込む風車のような物質(右下)などが確認できる。
「天の川銀河の中心部の理解が進めば、さまざまな銀河で大質量星が核領域の過酷な環境とどのように複雑な相互作用を行っているのか究明されるだろう。今回の研究はその重要な一歩となる」とワン氏は話す。
今回の最新画像は、1月5日月曜日、カリフォルニア州ロングビーチで開催されたアメリカ天文学会の会合で発表された。
Hubble image courtesy NASA, ESA, and Q.D. Wang (University of Massachusetts, Amherst); Spitzer image courtesy NASA, Jet Propulsion Laboratory, and S. Stolovy (Spitzer Science Center/Caltech)