for National Geographic News
ベスビオ山が爆発してポンペイの街が火山灰に埋もれるはるか以前に、“超巨大火山”の噴火がイタリアを揺るがせたことがある。新しい研究によると、この噴火はあまりに猛烈だったため、日光が遮られ、長期に渡って地球が寒冷化しただろうという。
現在は死火山となっているこの超巨大火山が最後に噴火したのは約2億8000万年前だが、その時の名残が、イタリアアルプスのセージア渓谷で最近発見された幅13キロのカルデラである。
しかも、地震の力でこの火山の内部がねじれていたため、噴火時のマグマの通り道をこれまでより奥深くまで調べることができ、次の噴火時期を予測する手掛かりが得られる可能性も出てきた。
研究チームのメンバーでテキサス州にあるサザンメソジスト大学の地質学者ジェームズ・クイック氏は声明で次のように述べている。「超巨大火山の噴火はまた起こるだろう。それがどこで起こるかは分からないが、セージア渓谷を分析すれば次の噴火の予知に役立つかもしれない」。
ナショナル ジオグラフィックニュースに対してクイック氏は、セージアでの噴火は数週間続いた可能性が高いと話す。噴火の際にこの超巨大火山は、約1000立方キロもの火山物質を大気中に巻き上げたと推定される。これは、アメリカで大きな被害を出したことで知られる1980年のセントヘレンズ山の大噴火のおよそ1000倍にもなる。
古代のセージア渓谷の噴火では、同時に火山灰や火山弾が絶えず降り注ぎ、さらには、地震が起き、溶岩流や高温の泥流が急流を作り、溶結凝灰岩が堆積したと考えられる。「かなりドラマチックだっただろうね」とクイック氏は話す。
しかも、火山灰や二酸化硫黄が大気中に放出されたことで日光が遮られて地表に届かなくなり、そのために地球が急速に冷え、その状態が数十年から数百年続いた可能性があるという。
セージア渓谷のカルデラはすでに死火山となっているが、同じような惨劇が今後も繰り返されるかもしれないと科学者は考えている。セージア渓谷のほかにも、アメリカのイエローストーン国立公園など、世界各地で少なくとも7つの超巨大火山が知られている。
しかし、すでに知られているこれらのカルデラで大規模火山の内部構造を観察しようとしても、見ることができるのはわずか5キロほどに過ぎなかった。
一方、セージア渓谷の超巨大火山では、3000万年前に始まったアフリカ大陸とヨーロッパ大陸の衝突によって地殻がねじれ、それまで垂直だったマグマの通り道がカルデラの縁近くにまで寄っていた。これによって、超巨大火山の内部の仕組みを25キロに渡って観察できるようになった。
クイック氏は、セージア渓谷のカルデラを研究すれば、噴火につながる現象の理解をさらに深め、噴火警報システムを作ることができるかもしれないと話している。
この研究の詳細は「Geology」誌7月号に掲載されている。
Photograph courtesy Kimberly Cobb









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