February 6, 2009
イラスト(上)のような飛び出た目と“大きな腕”を持つ古代生物が発見された。最新の研究によると、節足動物によく見られるハサミやツメがどのように発達したのか、その進化上のミッシングリンクを埋めるものになるかもしれないという。
「シンダーハンネス・バルテルシ(Schinderhannes bartelsi)」と名付けられた新しい化石種は、頭部に1対で互いにつながった大きな付属肢を持っている(下が化石の写真)。古代には同様の特徴を持つ動物種が数多く生息しており、この腕のような構造は古生物学では「大付属肢(great appendage)」と呼ばれている。
現在のサソリをはじめとした節足動物には物をつかむハサミやツメを持つものが多いが、形状の類似性から大付属肢が進化したのではないかと考えることができる。しかし、これまでの化石記録からは、大付属肢を持つ動物はカンブリア紀(約5億4500万年前から約5億年前)中期にすべて絶滅してしまい、進化上行き止まりになっていることが示されていた。
ところが、道は続いていたのかもしれない。シンダーハンネスはドイツにある粘板岩堆積層の採石場で発見された。この地層は3億9000万年前のものだ。したがって、シンダーハンネスは、これまで大付属肢を持つ動物種が完全に姿を消したと想定された時代から1億年後に生息していたことになる。
研究チームによると、新しく発見された化石は、節足動物が互いにどのような関係にあるのかをめぐる長年の論争を解決する貴重な手掛かりとなる可能性を秘めているという。今回の最新研究は、今週発行の「Science」誌に掲載されている。
研究チームの一員でイェール大学ピーボディ自然史博物館のデレク・ブリッグス氏は、「残念なことに、この貴重な化石が掘り起こされた採石場は、経済的理由により閉鎖されてしまった。いま注目が集まりつつある化石標本は既に収集家の手に渡っている。その保存状態は完全ではないであろうし、真価も理解されていないだろう」と話す。
Illustration courtesy Elke Groning; fossil pictures courtesy Gabriele Kuhl