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多くの旅行者に親しまれているアメリカ、ハワイのキラウエア火山は、川のようにゆったり流れる溶岩で有名だ。しかし、世界で最も活発とされるこの火山には激しい一面もあるという研究論文が発表された。
論文によると、ハワイ島の沿岸に位置するこの火山は、これまで考えられていたよりはるかに強力な噴火を起こす可能性があるという。「この火山はとても穏やかなことで知られ、サンダル履きで溶岩流のそばまで歩いて行けるほどだが、極めて危険な一面があることが判明した」と、ワシントンD.C.にある国立自然史博物館の火山学者ティム・ローズ氏は説明する。同氏は今回の論文の執筆に参加している。
キラウエア火山の激しい一面は、火山の何キロも先まで広がるテフラ層から判明した。テフラとは、火山から噴出された灰や岩のことだ。ローズ氏らは、キラウエア火山のテフラが1000~1600年前に噴出したもので、現在であればジェット旅客機に危険を及ぼしかねないほど高く噴き上げられていたことを突き止めた。「ゴルフボール大の岩が16~17キロほどにわたって放り出されていた」と、執筆に参加したハワイ火山観測所の火山学者ドナルド・スワンソン氏は話す。
さらに、テフラは海岸にまで達していた。最も近いものでもキラウエア火山のカルデラから約21キロ離れている。これは、噴火によって灰や岩がさらに遠くの海まで吐き出された可能性を示している。スワンソン氏によると、500~200年前にも、これに近い強力な噴火が起きているという。
キラウエア火山のこのような激しい一面は、これまで認識されていなかった。古い灰や岩などの堆積物が後の火山流に埋められたためだ。「証拠となる物質が表に出てくることがこれまでなかった。つまり、こちらから探す必要があったのだ」とスワンソン氏は言う。
同氏によると、このような噴火がいま起きれば、キラウエア火山の頂上部はバスケットボール大の灰や岩で覆われるという。ただし、論文を執筆した科学者チームは、いますぐ同じことが繰り返される危険はないとみている。「もちろん、近い将来に起きる兆候はない」とスワンソン氏は断言する。同氏によれば、火山学者たちはそのような噴火が起きる前にキラウエア火山の火口が内部で崩壊するはずだと考えているという。「われわれの考えでは、これだけ大きい噴火が起きるには相当な深さの火口が必要だ。今の火口はそのような状態ではない」。
今回の論文によると、ハワイ島にあるほかの火山も知られざる激しい一面を持つ可能性があるという。国立自然史博物館のローズ氏は、「キラウエア火山の南側に位置するマウナロア山やマウナケア山にも、とても大きな規模のテフラが存在する」と説明する。この堆積物の出どころはまだわかっていない。それでも、「いくつかは信じられないほど厚みがあり、最も近い火山からかなり離れている。非常に大きい爆発的な噴火が何度かあったに違いない」とローズ氏は推測している。
この研究は「Geological Society of America Bulletin」誌の5・6月号に掲載されている。
Photograph by David Jordan/AP

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