山火事の発生する条件とは?
天候や風、乾燥した下生えによって勢いを増した火災は制御が不可能である。山火事によって、広範囲にわたる土地が焼け、炎の行く手を阻むものは何でもたった数分で焼き尽くしてしまう。
山火事(原野火災・森林火災ともいう)の年間発生件数は、平均して10万件を上回り、アメリカでは毎年1万6000〜2万平方キロメートルの土地が焼き尽くされている。山火事は時速20キロ超の速度で広がり、炎の行く手を阻むものは木や茂み、家屋だけでなく、人間さえも焼き尽くす。
山火事が発生する条件は3つある。それは燃料、酸素、熱源であり、一般的に燃焼の3要素として知られている。燃料とは、木、草、茂み、家屋を含む、火の周囲にある可燃物を指す。その土地に可燃物が多ければ多いほど、火災の勢いは激しくなる。空気は、燃えるために欠かせない酸素を供給する。熱源は山火事発生の原因となり、燃料の温度を火災発生に十分な温度にまで高めるもの。例えば、落雷やたき火、タバコ、熱風だけでなく太陽さえも、山火事を発生させるのに十分な熱源となり得る。
山火事の80%は人為的な原因によって発生するが、炎を煽り、山火事を拡大させるのは「自然」である。例えば、日照りや干ばつによって、青々とした植物が乾燥し、可燃性の燃料に変わる。強風は炎の広がりを速める。さらに、温暖な気候によって燃焼が促進される。こうした要因が重なれば、必要なのは「火付け役」だけだ。落雷や放火、切れて地上に垂れ下がった電線、たき火、タバコの火などが火災を発生させる原因となる。いったん火が上がると、火災は数週間続き、広大な土地を消失させてしまう。
この恐ろしい大火災は世界各地で発生し、アメリカ国内でも大部分の州が被害を受けている。最も山火事の発生率が高いのは、アメリカ西部である。高温、干ばつ、頻繁に発生する落雷など、山火事に最適な環境が形成されているためだ。モンタナ州、アイダホ州、ワイオミング州、ワシントン州、コロラド州、オレゴン州やカリフォルニア州では、国内最大規模の大火災が何回か起こっている。特にカリフォルニア州で発生する山火事は、暑く乾燥した風が吹き付けるフェーン現象によって被害が拡大するため、最悪の事態を招くことも多い。
消防士たちは燃焼の3要素を形成する要因を1つ以上取り除くことで、山火事の鎮火を試みる。放水や消火材の散布など、伝統的な方法によって鎮火を図るほか、植物を刈り、防火帯を作ることによって燃料を奪い、火災の進行を遅らせる、もしくは食い止めようとする。また、消防士たちは山火事に立ち向かうために、「焼き払い」と呼ばれる故意に火事を起こす方法を利用することもある。「焼き払い」によって森林の下生えや茂み、地上に落ちているゴミを取り除くことで、山火事から燃料を奪うのだ。
山火事は人間にとって有害かつ破壊的だと考えられているが、自然発火によって発生した山火事は自然界において重要な役割を果たしていることも知っておこう。山火事によって、枯れたり腐敗した植物が焼き払われて、土壌の栄養分が回復するほか、病害におかされた植物や害虫を森林の生態系から除去するための殺菌剤としての働きもある。山火事が厚い林冠や下生えの茂みを燃やすことにより、森林床に太陽光が差し込み、新芽の成長も促進されるという効果もある。














