短くも過激な竜巻の一生
竜巻は、高速に回転する空気の渦で、じょうごを垂直に立てたような形状(上部が広い円錐形で下端は細長い形状)をしている。竜巻の中心部では、最高時速400キロという速さで風が吹いている。竜巻によって、幅1.6キロ、長さ80キロにもわたる広い地域が壊滅することもある。
竜巻は雷雨の中で発生し、あられを伴うこともある。最も破壊力があるのは、「スーパーセル」と呼ばれる長時間持続して発生する巨大な積乱雲によって起こる竜巻だ。
竜巻は世界中で発生するが、特にアメリカにおける竜巻の発生回数は年間1000回にも上る。サウスダコタ州東部、ネブラスカ州、カンザス州、オクラホマ州、テキサス州北部とコロラド州東部を含む地域は「竜巻多発地帯」と呼ばれ、最も強力かつ破壊的な竜巻が頻発する。アメリカでは、竜巻によって毎年80人もの人が死亡し、負傷者の数も1500人を上回る。
積乱雲の中で風の速度と方向が変化し、空気の渦が水平方向に回転を始めると、竜巻が発生する。渦の回転は次第に垂直方向に伸び、空気の渦が雷雲に達するまで上昇していく。
竜巻は、春または夏の夕方に激しい雷雨と共に起こりやすいと言われているが、その気象学的要因は解明されていない。事実、竜巻は季節や時刻を選ばず、いつでも発生する可能性がある。
竜巻といえば、じょうご状の雲が特徴的だが、あの雲は実は透明である。積乱雲内の湿った空気からできた水滴が凝縮したり、ちりやほこり、破壊物の破片などが巻き上げられると、雲が肉眼で確認できるようになる。じょうご状の雲は通常、幅約200メートルにまで発達する。
竜巻は時速約16〜32キロの速さで移動する。現在までに記録されている竜巻の瞬間最高速度は113キロだ。しかし、移動距離はそれほど長くはない。一般的には、竜巻が10キロ以上移動することは稀であり、その一生は極めて短い。
竜巻は、小型のものから大型のものまで分類されており、最も大きなものでは壊滅的被害を及ぼすものまである。壊滅的被害を及ぼす竜巻は全体のわずか2%にすぎない。しかし、このレベルの竜巻は1時間以上持続する可能性があり、竜巻による死亡数の70%占めている。
人間や自動車だけでなく、建物でさえも、竜巻の風力によって上空へと巻き上げられ、吹き飛ばされてしまうことがある。負傷者や死亡者の多くは、飛ばされた破壊物の破片の犠牲者である。
ハリケーンの発生に対して出される警報のように、竜巻の発生を事前に予測し、警報を出すことは不可能である。しかし、竜巻予報により救われる命もある。現在、竜巻に対する警報は、平均的して竜巻発生の13分前に出されている。また竜巻の兆候としては、暗く緑がかった空の色や、大粒のあられ、電車が通り過ぎるときのような轟音などが挙げられる。















