人口急増
都市は、人間が居住するために、人間によって建設された人工環境であり、地球上のほかの環境とは異なる。現在、世界の人口の約半分は都市部に集中している。
都市は何千年も前から存在している。都市の起源は、メソポタミア(現在のイラク)やエジプト、インド、中国など川の流域で栄えた文明にまでさかのぼる。都市が誕生した初期には、人々は農業や酪農によって生計を立てていたが、規模が大きくなるにつれて、都市は商業や貿易の中心地となっていった。
都市の成長、いわゆる都会化は、約200年前に近代工業の発達によって急激に加速した。当時、多くの人々が主に工場での職を探して都市部へと移動した。しかし、都市がその歴史において、最も急成長を遂げたのは過去半世紀の間である。1950年の時点で都市部の人口は世界人口の3分の1以下だったが、2030年までには約3分の2まで増加すると言われている。今現在、都市化が急速に進んでいる地域は、アジア、アフリカ、ラテン・アメリカ諸国である。
都市(urban)は「市(city)の特徴を持つ場所」として定義されている。しかし「市」とは具体的に何だろうか。過去には、市の境界に壁があったこともある。しかし現在では、市の境界はあいまいである。大都市圏における郊外は都市の一部に含まれるのだろうか。例えば、「東京」という都市が23区を指すとすれば、都市「東京」の人口は800万人だが、周辺も合わせて都市として考えるとその人口は関東圏の4000万人まで増加する。
都市は、狭い地域に多くの人が固まって居住することに意味がある。そうすることによって、政府などの機関が、より多くの人に水道や電気、交通手段などのサービスを効率的に提供することができるからである。また、教育機関や商業地域を利用するにも、都市部の方が農村地帯と比べて便利である。
都市は常に、経済成長や技術革新の中心であり、職と金が保証された都市部には多くの人々が集まってきた。しかしその急成長の影には、多くの問題も発生している。例えば、暴力や貧困、過密人口、衛生問題、環境汚染などである。特に発展途上国の都市は、あまりにも急速に発展したため、多くの居住者が職を見つけることができず、スラム街に住むことを余義なくされているケースが見られる。
都市膨張によって、世界各地で野生生物の生息地が脅かされている。人間の生活圏が野生生物の生息地の近くにまで拡大しているため、従来の生育環境が失われたり、破壊されている。一方で、都市ではエサとなる食料が豊富な上に、気温も温暖で住みやすいことから、ネズミやゴキブリからハトやリスに至るまで、多くの動物が都市生活に順応している。
















