地球の表面積の10%を占めているツンドラは基本的に、植物多様性がほとんど見られない凍った沼地である。しかし、ツンドラは地球上で最も環境の変化に敏感な生息地の1つである。ツンドラが直面している最大の問題は、地球温暖化である。科学者の多くは、温室効果ガスによる地球温暖化が進行すれば、ツンドラをはじめとする北極地方は永久に消滅してしまうと考えている。
もう1つの問題は、現在、地球上の土壌から発生する二酸化炭素の約3分の1が、ツンドラの永久凍土層から発生しているということだ。この凍った土壌が解けて、土壌に含まれていた有機物が腐敗し始めると、二酸化炭素、つまり温室効果ガスが排出される。ツンドラは、車両のわだちのような物理的な破壊からの回復に時間がかかる。代替エネルギーへの切り替えによる、温室効果ガスの排出量の削減は、ツンドラ地帯を保護することがカギとなっている。
ツンドラに差し迫る脅威
- 地球温暖化による永久凍土層の溶解によって、ツンドラの風景やツンドラに生息する動植物種がすっかり変わってしまう可能性がある。
- 北極や南極上空のオゾンが減少することで、ツンドラに悪影響を及ぼす強力な紫外線が照射される。
- 大気汚染によりスモッグが発生し、多くの動物にとって重要な食物源である地衣類(コケなど)が汚染の危機にさらされている。
- 石油やガス、鉱物などの採掘作業や、パイプラインや道路の建設によって、物理的な破壊や生息環境の分断が起こる。
- 石油の流出により野生生物が死に追いやられ、ツンドラの生態系に多大な影響が出ている。
- 建物や道路は永久凍土層に熱や圧力を加え、永久凍土層の溶解の原因につながっている。
- 侵略的外来種によって、元来ツンドラに植生していた植物が生息地を奪われ、植物の多様性の減少につながる恐れがある。
ツンドラを守るための対策
- 代替エネルギーに切り換えることで、人間活動に起因する地球温暖化を最小限に食い止める。
- 人間活動から受ける影響を抑制するため、特別保護地区や公園保護地区を設ける。
- ツンドラにおける道路建設や採掘作業、パイプラインの建設などを禁止する。
- 観光客の立ち入りを制限し、地域の文化を尊重する。
















