たくさんの呼び名を持つ草原地帯
草原地帯はさまざまな名称を持つ。アメリカ中西部では「プレーリー」、南アメリカでは「パンパ」、中央ユーラシアでは「ステップ」、アフリカでは「サバンナ」と呼ばれている。これらの土地に共通した景色とは、一面に生育した背丈の低い草本植物である。草原地帯の降雨量は、森林が形成されるほど多くはないが、砂漠ほど少なくはない。
事実、草原地帯の多くは森林地帯と砂漠地帯の間に位置している。草原地帯は地球の表面積の約4分の1を占めるが、その大半は農場に利用されている。一般的な草原は開けた平坦な土地である。南極大陸を除くすべての大陸に存在するが、大陸内部の乾燥した地域に広がっていることが多い。
草原は、熱帯と温帯の2種類に分類される。南半球の草原に比べ、北半球の草原は降水量が高い。草本植物の中には2メートル以上にまで成長し、地中に数メートルの根を張るものもある。
熱帯草原は、1年を通じて気候は温暖だが、通常は乾季と雨季がある。熱帯草原の1つであるアフリカのサバンナは、ゾウやキリン、サイ、シマウマ、ライオン、ハイエナ、イボイノシシなど、世界で最も特徴的な動物種の生息地でもある。
温帯草原の年間平均降水量は250ミリから750ミリである。植生する草の丈は短く、数ミリ程度にしかならないこともある。生育期と冬眠期があり、冬眠期は気温が低すぎるため草がまったく生えない。
温帯草原に生息する動物は強風と乾燥に耐性を有する。ガゼルやシカなどの草食性の動物、ネズミやジャック・ウサギなどの巣穴を掘る動物、ヘビやコヨーテなどの捕食動物が生息している。北アメリカの草原にはかつて、何百万頭というバイソンが生息していたが、その大部分は人間によって乱獲されてしまった。
雨季になると、草原は草花で覆われる。一部の草花は枯れずに冬を越すため、地中に栄養分が貯蔵され、茎の木部(もくぶ)が太く育つ。
草原は、数ある生育環境の中でも、最も人間の農業活動に適した土地だ。土壌が深く豊かで、耕地や牧草地として最適である。北アメリカに広がる草原の大半は、地球上で最も肥沃な農業地の1つとなっている。
自然に発生する野火も、人間が引き起こす野火も、草原を維持するために重要な役割を果たしている。古代の狩猟民族は草原を維持および拡大するために、定期的に野火を起こし、火に弱い樹木や低木を焼き払っていた。草本は丈が低いため、火を逃れることができるのだ。

















